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資本主義の歴史とは「過去」と「現在」 そして「未来」の歴史である 西欧で生まれた資本主義が、拡大し、そして暴走している。資本主義はなぜ限界にむかっているのか。資本主義と持続可能な世界は両立するか。ポスト資本主義とは何か。本書では世界史の流れの中で、資本主義の変遷をたどることより、これまで自明のものとしてあった資本主義の本質をつかむ。予測不可能な未来を切り開くために必須の教養が身につく一冊。 序章 資本主義とは何か 第1章 資本主義という社会がそれまでの社会とどう違うか 第2章 資本主義の始まりーー19世紀のヨーロッパ 第3章 産業資本主義から金融資本主義への移行 第4章 戦後の経済発展と冷戦構造ーー資本主義対社会主義 第5章 資本主義の勝利へーーグローバリゼーションの時代資本主義を読み説く 第6章 暴走する資本主義ーーソ連・東欧の崩壊から金融資本主義へ 第7章 資本主義のゆらぎーーリーマンショック後の世界 終章 資本主義の後に来るもの
レビュー(9件)
近年再評価が広まるマルクスの『資本論』の読み返しと、ウクライナ危機を含む現在の時勢との関連を把握するための参考文献として入手させていただきました。 英語一辺倒の言語帝国主義やNATOと欧州連合との関連など類書にはない新しい視点があることは評価に値すると思いますが、その問題を解決するための例えば、エスペラントや人権に関する国際法の履行による非軍事的な方法による平和を目指す欧州評議会の言及など踏み込んだ論評がないことは問題と考えます。 全体として資本主義の大まかな歴史とその問題を解決すべく現れたマルクス理論やその後継となる思想史の入門書としては良い一冊と思いますが、もう少し踏み込んだ分析がなされていればなお良いと考えます。