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新NISAで投資への関心が高まったこともあり、株価はバブル期の最高値を超えた。だが「失われた30年」で開いた海外との差はまだまだ大きい。逆にいえば、やり方しだいで成長に転じる潜在力が日本企業にはあるとも言えよう。 それでは、どこをどう変えればいいのか? まずは「ふつうの資本主義」を取り戻すことから始めなければならない。しかるに、日本企業は内部留保を抱え、研究開発や新規事業への投資に消極的であり、親方日の丸からの天下りなどガバナンスにも問題が大きい。 著者は、そんな諸課題を抱える企業を相手に「社長はおやめになったほうがいい」と直言してきた国内アクティビスト(モノ言う株主)の代表格。 株式市場と企業経営の本質を喝破するとともに、ピカピカの会社ではなく、あえて改善点が多い会社に投資してきた自らの哲学を明かす。
レビュー(10件)
モノ言う株主目線の初心者本として良い
モノ言う株主であるとかアクティビストとされるファンドへの興味から購入。 ガバナンスウォッシュ、スチュワードシップコードあたりも面白かった。 常勤取締役と社外取締役の役割の違いや、モノ言う株主がどのように対話したいと考えているのか、責任をどう求めているのかという話もとても参考になった。 少数株主への配慮は、今後、証券取引所が指導していく傾向にありそうだと思え、 また指導があれば各企業も考えていく流れは今後ありそうだと思えたから参考になった。 株主配当や株主優待についても、モノ言う株主目線ではどのように映っているか参考になる部分があった。 しかし、最後の雇用の流動化は、マクロ経済環境にほぼほぼ左右されるから言い過ぎだと思う。 そもそも物価の安定がなく長く不景気が続いたのだから、 雇用の安定が達成された後、自由に雇用の流動性がありより良い雇用を求めて動けるなら理解できる。 1990年~2012年までの日本経済は特に厳しかった。 現実にある前提をもう少し考慮いただいて主張いただきたいと思った。
「モノ言う株主」(アクティビスト)の活動について知ることができました。 ただ、一般的に言われているような内容が多くて、筆者ならではの考えについてはあまり知ることができませんでした。