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「逆説史観」の新たなライフワーク、第2弾 『逆説の世界史』シリーズは、累計500万部突破のベストセラー『逆説の日本史』の著者による新たなライフワーク。待望の第2弾は、多神教信者の多い日本人には分かりづらい「一神教の世界」がテーマです。 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれの「神」の誕生と「聖典」の成立にかかわる謎を解明しながら、現代まで続く民族・宗教の対立の深層に迫ります。 混迷する世界のニュースをより深く理解するために、「逆説史観」によって分かりやすく解説した必読の入門書です。 「ユダヤ民族差別を生んだ根源は『マタイによる福音書』」「ローマ・カトリック教会がタブー視するキリスト教の大矛盾」「ダンテの『神曲』がイスラム教社会で「禁書」となる理由」「シーア派とスンニー派の抗争とムハンマドの血脈」「聖地エルサレムは誰のものか」「十字軍遠征がもたらした憎悪の連鎖」「最大最強だったオスマン帝国が衰退した要因」「中東和平をこじらせる最大の障害」等々、日本人が知っておくべき一神教世界の基礎知識を解説。 『逆説の世界史』は小学館のウェブサイト「BOOK PEOPLE」で連載中(【日本語版】http://bp.shogakukan.co.jp/gyakusetsu/en/)。
レビュー(12件)
逆説の世界史(2)
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の大雑把な内容が理解でき満足しております。
なかなか良い本です。
私は、高校時代、世界史を選びませんでしたので、勉強になります。 確かに、中高では、地理・世界史・日本史と通史として、薄く教えることが必要かと思います。 特に、宗教に関しても、特徴だけでも教えるべきかと思います。
一神教のタブーと民族差別
逆説の世界史第2巻「一神教のタブーと民族差別」を読んだ。なかなかタブーに踏み込んだ内容で,序章で「一神教は地球人が創り出したと仮定することが大前提だが」と一定の言い訳をしている。このシリーズは英語圏でも発売されていると思うので配慮が必要だということらしい。私は日本人なので,その奥に何があるのかはよく分かる。 本巻は五章からなり,一章:ユダヤ教と旧約聖書,二章:キリスト教と新約聖書,三章:イスラム教徒コーラン,四章:十字軍遠征,五章:オスマン帝国の崩壊,中東戦争,と展開される。 ざっと全体を俯瞰して流れを整理するには丁度良い内容だった。宗教のことは,池上彰さんの解説書などで勉強し一定の理解はしていたが,井沢氏は池上氏より深く,特に流れを上手に説明されるので背景がよくわかって理解しやすかった。いつももう少し詳しくと思うが,そう思うなら解説書は山のようにあるので,まず,このくらいの内容で全体を掴むことは重要だと思う。 いつも氏の記述は浅からず深からず,私には相性が良い。本巻では一章のユダヤ教,三章のイスラム教の解説が特に良かった。一章は一神教の発生とも関わるので詳しく,三章は現代のISの問題とも関わるので慎重に書かれていた。イスラムは部族というのと親和性が高いのかなという印象を持った。五章ではキリスト教世界が近代化に成功した理由が述べられていて成程と思った。各宗教の倫理観についての考察も興味深かった。
逆説の世界史(2)井沢元彦
この種の出版物は最近、種類が増えてきたが、いわゆる一神教の宗教を扱ったもの、つまりユダヤ教・キリスト教・イスラム教を扱ったもので、1冊で全体を眺め通すことのできるものはまだ数少ない。また。最近の世界を揺るがしている中東問題・ISの台頭などを含めた解説もあり、歴史小説家の見た歴史観が良く出ている。一つの宗教を書き表すだけでも数千・数万ページを超える内容があるが、兎にも角にも、入門書として大きく見るには程よい内容かと思う。一部に井沢氏の独断や偏見も無きにしも非ずだが、それはマイナーなことゆえ、まずは一読することをお勧めする。