- 8
- 4.0
近頃の江戸では、何者かか貧しい長屋に金を配る「小銭なげこみ事件」が頻発していた。 そんな折、小籐次に名刀を預けにきた謎の青年の正体はいったい? 久慈屋では、高尾山薬王院へお札用の紙を納める旅に小籐次の同行を願う。 息子の駿太郎、道場仲間の少年たち6人も見聞を広めるため高尾山行きに参加することに なり、総勢24人の一行は高井戸宿、府中宿と進む。しかし久慈屋の紙に隠されたある物を奪おうとする者たちが、少年らの命を狙っていたーー 旅の楽しさと厳しさ、少年たちの苦難と成長。 高尾山の奥深い景色に溶け込み、「猿の親分」になってしまう小籐次の大活躍! そして新キャラ「〇小僧」が登場し、ますます盛り上がる最新の上下巻です。
レビュー(8件)
内容充実でとても面白い
美人で歌人の妻・おりょう、養子・駿太郎(13歳、赤目小籐次を襲った刺客から託された子で当時は赤ん坊)、紙問屋久慈屋や新兵衛長屋の面々ら、小籐次を取り巻く面々と織りなす人間ドラマと事件の数々、新シリーズの第17弾。 * 文政9年(1826年)初夏。太平の世を謳歌する江戸では近頃、貧しい長屋に小銭が投げこまれるという奇妙な事件が続いていた。小籐次は謎の青年から、名刀正宗の研ぎを頼まれる。そんな中、高尾山薬王院へ紙を納める久慈屋の旅に、息子の駿太郎・道場仲間の少年らとともに同行することに。高井戸宿、府中宿へと進む一行を付け狙うのは。。。 * 奉行所子弟の少年らのハチャメチャぶりが本シリーズではめずらしく、とても新鮮な感じでした。中でも、岩代壮吾・祥次郎兄弟のやり取りと成長ぶりが面白かったですね。久慈屋の旅に隠された秘密と陰謀、鼠の正体は?、武家社会の掟の厳しさ等など、内容充実でとても面白い一巻(上・下)でした。 ----- ■本書の基本情報 ・筆者:佐伯泰英(サエキ ヤスヒデ) ・略歴:1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』以後、スペインをテーマにした作品を発表。'99年、初の時代小説『密命』を皮切りに次々と作品を刊行、時代小説の旗手として高い評価を得る。 ・出版:文藝春秋 ・発売:2020年7月 ・ページ数:340p ■これまでに購読した佐伯泰英の著書 ・「異風者」 ・「密命」(全26巻) ・「夏目影二郎始末旅」…第14巻で読み止め ・「古着屋総兵衛影始末」(全11巻) ・「吉原裏同心」…第16巻で読み止め ・「居眠り磐音江戸草双紙」(全51巻)、「居眠り磐音江戸草双紙 読本」 ・「空也十番勝負 青春篇」(全6巻) ・「酔いどれ小藤次留書」(全20巻) ・「新・酔いどれ小藤次」…第16巻まで(本書) ----- ◆AFP情報 … ジャンル:本・雑誌・コミック、料率:3%
以前から好きなシリーズなので、購入しました。