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(慰安婦は)国が貧しく親が貧しいから、食べていく道を探しているうちに悪の沼に陥ったケースがほとんどである。家族のために自らを犠牲にしたり、両親がいくばくかのお金と引き換えに我が子を差し出したりした。人によってプロセスはまちまちだが、すべてが貧困によって生じた、悲しくも恥ずべき私たちの姿だ。これ以上、他人のせいにするのはもうやめたい。(本文より) 著者の金柄憲(キム・ビョンホン)氏は、成均館大学出身で在野の歴史研究者である。金氏は、反日色の強い韓国の教科書に対する批判活動を展開してきた人物である。特に「慰安婦が日本軍によって強制連行された」と、証拠もなしに教科書に記述され、教えられていることに疑問と怒りを感じたのが、慰安婦運動糾弾に乗り出した動機だという。 本書の出版元はベストセラー『反日種族主義』と同じ未来社。タイトルの「赤い水曜日」の「赤い」は「真っ赤なウソ」からきたもので、「水曜日」はソウルの日本大使館前で30年にわたり続けられている挺隊協(現・正義連)など慰安婦支援団体による「水曜集会」のことだ。したがって「赤い水曜日」とは「虚偽の反日慰安婦運動」ということになる。 著者は、挺隊協が出版した元慰安婦たちの証言集などを仔細に検証し、韓国での法的根拠になっている定義に照らし合わせた場合、彼女たちはみな「日本軍慰安婦被害者」に該当しないことを論証している。つまり、彼女たちは「前借金」を得て、合意の上で娼妓となったのであり、暴力をふるっていたのは彼女たちの雇用主だったことを、彼女たち自身の証言で明らかにしているのだ。 加害者がいたとすればそれは日本軍ではなく「ひどく貧しい国で自分の子どもを物のように売り渡した父母や、それを商品のように紹介し紹介料を手にしていた業者、そしてそれを性的商品として軍人や多くの男たちから金をせしめていた業者だった」と主張する。 さらに、「日本軍は慰安所で定められた費用を支払い、性的欲求を解消する顧客にすぎなかった」とし、「慰安婦問題はわれわれが解決しなければならない問題であって、決して他国にその責任を押し付けることではない」と記している。 韓国でも、金氏のような主張をする学者が出てきたことは非常に好ましいことである。これが、日韓の不毛な歴史論争を終わりに導くことを祈ってやまない.
レビュー(6件)
日本と韓国の真実を知るために正しい史実を伝えてくれる一冊
品性低劣
従軍慰安婦問題を研究している、金柄憲氏が、韓国で言われている慰安婦の証言はでっち上げだとの論調で綴った。曰く、日本軍や警察は慰安婦の徴集に関与していない、彼女たちを管理していたのは朝鮮人の雇用主、軍人たちの暴力もなかったし第一、韓国側が主張している地域には、慰安所さえなかった。そもそも彼女たちは家計を助けるため自ら慰安婦になった……など。韓国人が、こうした著書を出版するのは珍しくはあるだろうが、同じ話や論調の繰り返しで、すっきりまとめれば10分の1で済む。言葉遣いにしても「デタラメ」「ウソ」などが何度も出てきて品性に欠け、反日派の研究者との遣り取りは、まさに誹謗中傷合戦。事の是非は兎も角として、後味の悪い一冊。買わなきゃ良かった。
30年以上前の韓国に長期滞在した経験があります。もちろん日本への悪感情があると感じる場面は多々ありましたが、それはもっと漠然としたものだったと感じてました。彼らの敵は明確でした。多くの日本人はこの問題の経緯に困惑してます。本書はいかなる経緯があったのか、我々に詳細に教えてくれます。一人でも多くの人に読んでほしい本です。英語版を発行して海外でも広めてほしいという期待をしています。