六本木の古いビルの屋上で40年前に見つかった遺体。警察は行方不明者、病死で処理したが、ある依頼人により、イラストレーターの想一とノンフィクション作家の雅が身元を調べる。終盤になって壮大な展開……と思えば、いくらなんでもそれは無いだろう。フィクションとは言え、ちょっとどうなの? 一気に読ませる筆力は認めるけれど。
江戸。油屋の息子が死体で見つかる。雨戸が閉め切られており、即ち密室。岡っ引きの伊佐治を引き連れ、同心の信次郎が謎を解く。同時に、商人同士の問題も孕んでスリリングな展開。現代にも通じる問題も。あさのあつこと言えば少年野球を扱った「バッテリー」という名作があるが、時代物を書いても超一流。本作が証明している。
C県のおんぼろアパート「朧荘」に住む女子大生、夏芽は、隣室の老人、鳴滝と知り合う。2人を待ち受けているのは何とも不可解な事件……硬派の小説書きのイメージが強いと思っていた月村了衛だが本作は、軽いタッチで描かれ、それなりに楽しむことが出来た。ラストの数行で表題の意味が分かったような? 異色作には違いない。
婚約者が盗撮を犯してしまう。スマホによる出来心。男の側の懺悔。女性の逡巡。前後半に分けて、その受け止め方が描かれるのだが、常習犯でもないのに……と思ってしまうのは、作者が女性だからか。物語としては面白いし考えさせられるが、性の違いによって感じ方が随分、違う小説なのではないか。
東京湾臨海署シリーズ。管内で半グレによる傷害事件が続発。スナックにミカジメ料を要求、外国人スタッフへの嫌がらせなどが端緒。安積班は、半グレを牛耳っている男を追う……。毎回、同じような展開なのだが、手を替え品を替えのストーリー。なぜか最後まで読まされてしまうのが今野作品。不思議な作家だと再認識。表題の付け方も相変わらず秀逸。
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六本木の古いビルの屋上で40年前に見つかった遺体。警察は行方不明者、病死で処理したが、ある依頼人により、イラストレーターの想一とノンフィクション作家の雅が身元を調べる。終盤になって壮大な展開……と思えば、いくらなんでもそれは無いだろう。フィクションとは言え、ちょっとどうなの? 一気に読ませる筆力は認めるけれど。
春立つ風
江戸。油屋の息子が死体で見つかる。雨戸が閉め切られており、即ち密室。岡っ引きの伊佐治を引き連れ、同心の信次郎が謎を解く。同時に、商人同士の問題も孕んでスリリングな展開。現代にも通じる問題も。あさのあつこと言えば少年野球を扱った「バッテリー」という名作があるが、時代物を書いても超一流。本作が証明している。
おぼろ迷宮
C県のおんぼろアパート「朧荘」に住む女子大生、夏芽は、隣室の老人、鳴滝と知り合う。2人を待ち受けているのは何とも不可解な事件……硬派の小説書きのイメージが強いと思っていた月村了衛だが本作は、軽いタッチで描かれ、それなりに楽しむことが出来た。ラストの数行で表題の意味が分かったような? 異色作には違いない。
恋とか愛とかやさしさなら
婚約者が盗撮を犯してしまう。スマホによる出来心。男の側の懺悔。女性の逡巡。前後半に分けて、その受け止め方が描かれるのだが、常習犯でもないのに……と思ってしまうのは、作者が女性だからか。物語としては面白いし考えさせられるが、性の違いによって感じ方が随分、違う小説なのではないか。
天狼 東京湾臨海署安積班
東京湾臨海署シリーズ。管内で半グレによる傷害事件が続発。スナックにミカジメ料を要求、外国人スタッフへの嫌がらせなどが端緒。安積班は、半グレを牛耳っている男を追う……。毎回、同じような展開なのだが、手を替え品を替えのストーリー。なぜか最後まで読まされてしまうのが今野作品。不思議な作家だと再認識。表題の付け方も相変わらず秀逸。