探偵小説の巨匠・江戸川乱歩と、命のビザの杉原千畝。ともに愛知五中そして早稲田の学生。といっても実際には全く接点のない2人を友人として結びつけた。そこは小説だ。リサーチがよく行き届いているし話も面白く練られている。とりわけ乱歩を取り巻く実在の作家が登場してノンフィクション感覚で読むことも出来る。ただし、そうなると関東大震災も1つの背景に取り込んでよかったのではないか。欲を言えば、もう少し文章を磨いて欲しい。特に台詞を大切に。
未解決事件のシリーズに携わった、東日新聞の社会部記者、高岡は32年前、群馬で起きた幼女誘拐事件の取材を始める。古い事件だけに関係者は殆どいないのだが、そのうち高岡自身が襲われるなど危険なことが起き始める。新聞記者出身の堂場氏だけに、記者と警察官の描写はリアル。人物もよく描けている。ただし、昭和の記者を懐かしむのは不要な気もする。
六本木の古いビルの屋上で40年前に見つかった遺体。警察は行方不明者、病死で処理したが、ある依頼人により、イラストレーターの想一とノンフィクション作家の雅が身元を調べる。終盤になって壮大な展開……と思えば、いくらなんでもそれは無いだろう。フィクションとは言え、ちょっとどうなの? 一気に読ませる筆力は認めるけれど。
江戸。油屋の息子が死体で見つかる。雨戸が閉め切られており、即ち密室。岡っ引きの伊佐治を引き連れ、同心の信次郎が謎を解く。同時に、商人同士の問題も孕んでスリリングな展開。現代にも通じる問題も。あさのあつこと言えば少年野球を扱った「バッテリー」という名作があるが、時代物を書いても超一流。本作が証明している。
選手としても監督としても超一流の実績を残した落合博満氏が、これまた野球界の錚々たる人々と対談。バッティング理論、監督論、生き方など、いずれも流石と唸らされる。野球の奥深さ、また大袈裟でなく人生を考えるに打って付けの1冊。
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乱歩と千畝
探偵小説の巨匠・江戸川乱歩と、命のビザの杉原千畝。ともに愛知五中そして早稲田の学生。といっても実際には全く接点のない2人を友人として結びつけた。そこは小説だ。リサーチがよく行き届いているし話も面白く練られている。とりわけ乱歩を取り巻く実在の作家が登場してノンフィクション感覚で読むことも出来る。ただし、そうなると関東大震災も1つの背景に取り込んでよかったのではないか。欲を言えば、もう少し文章を磨いて欲しい。特に台詞を大切に。
真実の幻影
未解決事件のシリーズに携わった、東日新聞の社会部記者、高岡は32年前、群馬で起きた幼女誘拐事件の取材を始める。古い事件だけに関係者は殆どいないのだが、そのうち高岡自身が襲われるなど危険なことが起き始める。新聞記者出身の堂場氏だけに、記者と警察官の描写はリアル。人物もよく描けている。ただし、昭和の記者を懐かしむのは不要な気もする。
リペアラー
六本木の古いビルの屋上で40年前に見つかった遺体。警察は行方不明者、病死で処理したが、ある依頼人により、イラストレーターの想一とノンフィクション作家の雅が身元を調べる。終盤になって壮大な展開……と思えば、いくらなんでもそれは無いだろう。フィクションとは言え、ちょっとどうなの? 一気に読ませる筆力は認めるけれど。
春立つ風
江戸。油屋の息子が死体で見つかる。雨戸が閉め切られており、即ち密室。岡っ引きの伊佐治を引き連れ、同心の信次郎が謎を解く。同時に、商人同士の問題も孕んでスリリングな展開。現代にも通じる問題も。あさのあつこと言えば少年野球を扱った「バッテリー」という名作があるが、時代物を書いても超一流。本作が証明している。
こたえあわせ 伝説の舞台裏 落合博満対談集
選手としても監督としても超一流の実績を残した落合博満氏が、これまた野球界の錚々たる人々と対談。バッティング理論、監督論、生き方など、いずれも流石と唸らされる。野球の奥深さ、また大袈裟でなく人生を考えるに打って付けの1冊。