- 19
- 3.76
一族の闇、怨霊の跋扈、そして骨肉の争い この国に平穏をもたらした彰子を描く、感動の平安絵巻 彰子への出仕を頑なに拒否していた厄介な女房である紫式部。当初は手を焼いていたものの、彼女との絆や『源氏物語』はやがて、彰子を稀代の国母へと成長させたーー。敬愛する夫・一条天皇の突然の死、一族内での足の引っ張り合い、頻発する火災や疫病……怨念うずまく宮中で闘い続け、時の権力者である父・藤原道長に唯一反旗をひるがえし、七代の天皇を支えた藤原彰子の感動の生涯を描いた長編小説。
一族の闇、怨霊の跋扈、そして骨肉の争い この国に平穏をもたらした彰子を描く、感動の平安絵巻 彰子への出仕を頑なに拒否していた厄介な女房である紫式部。当初は手を焼いていたものの、彼女との絆や『源氏物語』はやがて、彰子を稀代の国母へと成長させたーー。敬愛する夫・一条天皇の突然の死、一族内での足の引っ張り合い、頻発する火災や疫病……怨念うずまく宮中で闘い続け、時の権力者である父・藤原道長に唯一反旗をひるがえし、七代の天皇を支えた藤原彰子の感動の生涯を描いた長編小説。
レビュー(19件)
平安ブーム
一気に読みました。私は定子派ですが、彰子のこと、ちょっとだけ。
紫式部が女房として仕えた彰子の物語。 男性目線の作品では女性は政争の道具やお人形みたいに扱われる印象があるが、これは立派な意思と行動で宮廷を御した女性を描いている。子供を産むことを半ば義務付けられた上に政治を取り仕切るなど、まさにスーパーウーマンである。 ふと、源氏物語で源氏と藤壷が政治に関する密談をしているシーンが思い浮かんだ。若いころ読んで「純愛じゃないの?」と違和感を覚えたシーンである。大人になった今なら充分納得できるが、いつの時代でも女性とて男性の言うがままに動くわけではないのだ。 そのタフさは驚くべきものであるが、孤独だったのではないかなあと勝手に思ってしまう。