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著者の西澤哲氏は、虐待を受けた子どもの心の専門家。日本でこの問題が取り上げられるようになる前、1980年代から活動を続けてきた。その現場経験と実感を通して「虐待やネグレクトは子どもの心やその後の人生にどのような影響を与えるか?」「なぜ親が子に酷いことをするのか?」「性的虐待の実態とは?」「傷ついた心をどのように回復していくのか?」といった、多くの人が疑問に感じている事柄について語る。 著者の西澤哲氏は、虐待を受けた子どもの心の専門家です。 日本でこの問題が取り上げられるようになる前、1980年代から活動を続けてきました。 その現場経験と実感を通して「虐待やネグレクトは子どもの心やその後の人生にどのような影響を与えるか?」 「なぜ親が子に酷いことをするのか?」「ドメスティックバイオレンスと虐待の関係は?」「性的虐待の実態とは?」 「傷ついた心をどのように回復していくのか?」といった、多くの人が疑問に感じている事柄について語っていきます。 虐待問題への入門書となり、関係者には手引きの書にもなる、著者の30年の経験と知見がこめられた1冊です。 【著者紹介】 1957年、神戸市生まれ。サンフランシスコ州立大学大学院教育学部カウンセリング学科修了。 現在、山梨県立大学人間福祉学部教授。 虐待などでトラウマを受けた子どもの心理臨床活動を行っている。 著書に『子どものトラウマ』(講談社現代新書)、『子どもの虐待』(誠信書房)、『トラウマの臨床心理学』(金剛出版)、 訳書にレノア・テア『恐怖に凍てつく叫び』(金剛出版)などがある。 【目次】 プロローグ 第1章 子ども虐待とは何か 第2章 虐待してしまう親の心理 第3章 DVと虐待 第4章 性的虐待は子どもの心をどのように蝕むのか 第5章 トラウマについて考える 第6章 アタッチメントと虐待 第7章 本来の自分を取り戻すために エピローグ
レビュー(12件)
話としてはまあまあわかりやすい
訳語としての「虐待」の原語「abuse」の意味を出発点に子ども虐待の本質(養育者等による子どもの不当利用)を定義し(主に第1章)、それをもとに虐待する親の心理(親自身の不足や自己肯定観の低さなどに起因する子どもの不当利用、それを考えた際の性的虐待の意味やDVとの関連)を説き(主に第2・3・4章)、そして子ども虐待の影響やその補償要素(「トラウマ」、「アタッチメント」概念)を述べた(第5・6章)後で、被害児への治療的かかわりについての著者の考えと実践(第7章)で本書が結ばれている。エピローグで、社会の認識不足を問うているが、なぜ社会が子ども虐待防止や被害児への補償のコストを負担しなければならないのかという議論が(本書のテーマを逸脱するので別書で)必要に思われた。
子育て中の方は読んで損なしだと思います。
私は児童養護施設で働いており、勤務先でこの本を知りましたが、内容が濃く実際にあった事象を元に書かれているので、大変勉強になりました。子育てを頑張っている世の中の方には一度は読んで頂きたい本です。