中世のヨーロッパをたぐいまれなる文筆力で描かれ、マキャベリズムとも呼ばれる現実主義的な政治・経済思想を生み出した中世から近代にかけてのヨーロッパのイタリアのルネッサンスに憧憬をかきたてられ、イタリア旅行をしたくてたまらなくなりました。 キリスト教の教会に縛られたヨーロッパの中世前期の空気から解放されて、生き生きとした人文主義の花開いたイタリアの空気を満喫しながら、少ない休みの日を癒されています。 それにしても15世紀から16世紀にかけての中世から近代(日本では近世)に向けての時代は、ヨーロッパも日本も戦乱の時代で、各国が統一国家建設に向けて躍動的に動いていた時代んなんだと感慨深くなりました。 マキャベリが生まれたのが1469年で、このあたりの日本での大事件は、1467年の応仁の乱です。イタリアでルネッサンスの花が開いているときに、フランスは絶対王政への道をひた進み、日本でもまた室町幕府の権威が失墜して、戦国時代から1603の江戸幕府成立を待つまでの戦乱の世の中になっているのですね。 日本が戦乱の世の中で織田信長を待っている間に、マキャベリが『君主論』を書き上げていたのですね。,人を良く知っている塩野七生の真骨頂でしょう。 とにかく面白い! ともすれば誤解されがちなマキアヴェッリの本当の姿を見ることができる、啓蒙の書でもあります。,最終目標は「ローマ人の物語」なのですが、手始めにこのあたりから挑戦します。 -★は済みませんがまだ読み終えていないので満点を避けておきます。,作者がいかにマキャベリについて深く調べたか、全ての知りうる文献を読破したかが書かれています。 わが友と題名にあるとおり作者の愛着が文章のはじばしに記述され、愛するマキャベリをどのように表現するか作者の苦悩も何度も書かれています。 マキャベリの時代のフィレンツェの歴史がだらだらと退屈で無駄な文章が多く、作者の自己満足で書かれたとしか私には思えませんでした。 この作者の作品は一気に読めるものが多かったのですが。3巻目からは惰性で流し読みとなりました。 モンタネッリ著藤沢道朗氏の素晴らしい翻訳書ルネッサンスの歴史下ではマキャベリは11ページでユーモアとウィットのある文章でうまくまとまっています。 解説の自己宣伝と自己弁護が不快でした。,塩野七生さんの著書は3冊目ですが、2冊目の「ルネッサンスとは何であったか」がかなり衝撃的だったために、「ローマ人の手紙」ほど長編でないこの本を選択しました。タイトルだけ読むと”マキアヴェッリ”の伝記のようですが、彼を通したフィレンツェならびにルネッサンスの描写といった感じです。
レビュー(48件)
「君主論」の誕生前夜
中世のヨーロッパをたぐいまれなる文筆力で描かれ、マキャベリズムとも呼ばれる現実主義的な政治・経済思想を生み出した中世から近代にかけてのヨーロッパのイタリアのルネッサンスに憧憬をかきたてられ、イタリア旅行をしたくてたまらなくなりました。 キリスト教の教会に縛られたヨーロッパの中世前期の空気から解放されて、生き生きとした人文主義の花開いたイタリアの空気を満喫しながら、少ない休みの日を癒されています。 それにしても15世紀から16世紀にかけての中世から近代(日本では近世)に向けての時代は、ヨーロッパも日本も戦乱の時代で、各国が統一国家建設に向けて躍動的に動いていた時代んなんだと感慨深くなりました。 マキャベリが生まれたのが1469年で、このあたりの日本での大事件は、1467年の応仁の乱です。イタリアでルネッサンスの花が開いているときに、フランスは絶対王政への道をひた進み、日本でもまた室町幕府の権威が失墜して、戦国時代から1603の江戸幕府成立を待つまでの戦乱の世の中になっているのですね。 日本が戦乱の世の中で織田信長を待っている間に、マキャベリが『君主論』を書き上げていたのですね。
塩野七生の真骨頂
人を良く知っている塩野七生の真骨頂でしょう。 とにかく面白い! ともすれば誤解されがちなマキアヴェッリの本当の姿を見ることができる、啓蒙の書でもあります。
塩野作品デビューです。
最終目標は「ローマ人の物語」なのですが、手始めにこのあたりから挑戦します。 -★は済みませんがまだ読み終えていないので満点を避けておきます。
作者がいかにマキャベリについて深く調べたか、全ての知りうる文献を読破したかが書かれています。 わが友と題名にあるとおり作者の愛着が文章のはじばしに記述され、愛するマキャベリをどのように表現するか作者の苦悩も何度も書かれています。 マキャベリの時代のフィレンツェの歴史がだらだらと退屈で無駄な文章が多く、作者の自己満足で書かれたとしか私には思えませんでした。 この作者の作品は一気に読めるものが多かったのですが。3巻目からは惰性で流し読みとなりました。 モンタネッリ著藤沢道朗氏の素晴らしい翻訳書ルネッサンスの歴史下ではマキャベリは11ページでユーモアとウィットのある文章でうまくまとまっています。 解説の自己宣伝と自己弁護が不快でした。
ヨーロッパの歴史を知る
塩野七生さんの著書は3冊目ですが、2冊目の「ルネッサンスとは何であったか」がかなり衝撃的だったために、「ローマ人の手紙」ほど長編でないこの本を選択しました。タイトルだけ読むと”マキアヴェッリ”の伝記のようですが、彼を通したフィレンツェならびにルネッサンスの描写といった感じです。