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働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行 働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード 働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型 働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミー) 働き方5.0 機械がすべての仕事を行なうユートピア/ディストピア 安倍政権が進める「働き方改革」とは、働き方1.0を強引に2.0にヴァージョンアップしようとするものです。 これまで日本の「知識人」は、日本型雇用こそが日本人を幸福にしてきたとして、「働き方改革」を推進する「ネオリベ(新自由主義者)」に呪詛の言葉を投げつけてきました。ところが「真正保守」を自任する安倍首相は「雇用破壊」に邁進し、「私がやっていることは、かなりリベラルなんだよ。国際標準でいえば」と自画自賛しています。 グローバル化、知識社会化・リベラル化する世界のなかで、働き方1.0は目を覆わんばかりの機能不全を起こしています。政権が保守であれリベラルであれ、官民挙げて「改革」しなければどうにもならなくなっているのです。 しかし問題は、働き方2.0を実現したとしても、それではぜんぜん世界の潮流に追いつけないことです。最先端の働き方は、3.0から4.0に向けて大きく変わりつつあるからです。 その背景にあるのは、中国やインドなど新興国を中心とする急速な経済発展(グローバル化)と、テクノロジーの驚異的な性能向上です。私たち日本人が抱える困難は、働き方が「未来世界」へと向かうなかで、いまだに「前近代世界」のタコツボに押し込められていることにあるのですーー「はじめに」より。 以上の問題意識で書かれたのが本書です。 1 生き方・働き方が衝撃的に変わる未来 2 前近代的な身分制社会・日本 3 会社や管理職はなくなるのか? 4 「未来世界」で生き延びる方法 の4つのパートで、組織や人間関係の煩わしさから離れ、「仕事の腕」を磨いて“食っていく”ヒント満載! 人生100年時代、140代から生涯現役でやりたい仕事を楽しみ、2社会に役立ち、3年金に頼らずお金も得る「未来志向な幸福のライフスタイル」を提案する書。
レビュー(68件)
人と人とをつなぐことは負けないギャンブル
橘玲氏の今までブログや著作からの引用が多いので、その辺のフォローをしている人からすると、真新しい内容は少ないと思います。それもそのはず、橘玲が直接書いたものではなく、あとがきに記されているように、インタビューをライターにまとめてもらい、加筆したと書かれています。それでも、体系的にまとめてあるので効率は良いと思います。個人的には、終盤に書かれている「人と人とをつなぐことは、負けないギャンブル」の内容が心に残りました。自分も人と人とをつなぐ事に興味があり、Facebookでの情報発信・情報共有やアマゾンの書評、同窓会幹事などを通じて、誰かから役に立つこと、自分のブランド、評価を持つことにライフワークと考えています(実際にどう評価されるかは別にして)。仕事やプライベートでも、つなぐ君の役割はなぜか興味がある、楽しいと思うので自分の中で比較優位があるのかもしれません。日本社会は海外に比べると、まだマシというのは実感としてあります。ただ、その日本社会に安住して日本以外の環境では暮らしていけないというのはリスクに感じます。世界標準(英語、金融、仕事、教育、人脈)と繋がりながら、日本社会のいいとこ取りをするのが、今後は自分や家族のリスクヘッジには重要だと感じます。その知恵を教えてくれた、橘玲氏に感謝しています。最近は若い読者向けの著作を出されてもいるので、今後一人でも多くの日本人が橘玲氏の著作を読むことで、経済的独立を含め幸せな未来への布石になると思っています。