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打楽器をスティックやマレットなどのバチ類で演奏する際の打撃(ストローク)に注目し、オリジナルの方法で簡単で正確に素早く、また多彩な音色でストロークができるようになるための方法と理論が紹介されている。吹奏楽やオーケストラ、あるいはバンドなどで打楽器を担当する人の基礎練習は、スネアドラムスティックを用いて行うことが古くから一般的。そうしたスティックやマレットなどいわゆるバチを使って叩く打楽器は昨今、多種多様となり複数の打楽器を同時に演奏することも珍しくなくなった。そのため汎用性のあるストロークテクニックが要求されるようになっている。本書では、著者が研究のすえに見つけ出した新たな手法によって、バチ類で演奏するあらゆる打楽器演奏に活用できるストローク方法を紹介。この方法は短時間で習得でき、子どもや中高生から音大生、プロまであらゆる人が活用できる。豊富なイラストや写真、図などでわかりやすく紹介。内外の著名な打楽器奏者にもこの理論の実証性を確認してもらっている。新時代の打楽器奏法の新たな定番書。
レビュー(3件)
素人ですがなんだかすごいことが書いてあることは分かりました。響きのコントロールが可能なタイミングの研究など、とにかくちゃんと研究されている方が書いた本だと思います。 読み応えがあり、すぐには読み終われない内容でした。
初心者には難しいかもしれませんがある程度経験のある方にはぜひ読んでいただきたい。
ティンパニを独学で勉強しています。グリップやストロークをプロオケのティンパニストの映像を参考に自分なりに変えたり、全身鏡でマレットの軌跡を確認しながら基礎練していたが、特に利き手でない左手のマレットが真っ直ぐ上げ下ろしできないことや、叩き方で音色を変える方法が明確に分からず悩んでいました。Twitterでたまたま著者のツイートを拝見し、この方の本なら解決策が見つかりそうだと感じ、購入。手の仕組み、指の動作、バチのリバウンドなど順を追って検証し、指の動作で音色が変化することを導き出していて非常に説得力がありました。本書の通りのグリップにしてみると、それまでの悩みが解決し、指の動作で音色が変わることもすぐに実践できました。自分は20年以上慣れ親しんだ支点となる指を変えることとなりましたが、それについては思いの外難しくなく、手の仕組み、リバウンドなどのきちんとした根拠に基づくメソードは長年の慣れを容易く凌駕するのだと驚きました。正しい学び方が重要であるのは勿論だが、社会人ではプロに師事することが難しいこともあるので、本書のようにシステマティックな解説がとてもありがたかったです。この場をお借りして著者に御礼申し上げます。