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うつ、引きこもり、ネグレクト、家庭内暴力……現代に巣食う問題の原因は幼少期に強いられた「よい子」にあった! 親から見捨てられるかもしれないという恐怖は子どもにとっては大変な恐怖で、大人になってからも無意識のうちに尾を引くことがある。そういう人は相手の言葉に敏感になり、ちょっとしたしぐさを気にし、相手の言動を悪く解釈して、自分を卑下して考えるようになる。そうして、自ら不幸のスパイラルにはまっていくのである。 著者が自らの体験をもとに、問題のある親との関係性を清算し、 幼い頃に刷り込まれた「見捨てられる恐怖」の呪縛から解き放たれる方法をアドバイスする。どのような環境下で生まれても、それなりに幸せに生きることはできるし、人と一緒にいて楽しさを味わうようにもなれる。 「よい子」を演じるのをやめて、本来の自分を取り戻し、幸せな人生を歩むためにはどうすればよいのかを説く心理学書のバイブル。待望の復刊!
レビュー(6件)
面白かったです
生育環境への深い精神分析的考察が行われていました。私も納得するところがあり一読の価値はあると思います。ただ個人的には、『家族への恨み』という形に感情を固定してしまうと、根本的な幸福にはつながらないと考えるため、読む際に注意が必要だと思いました。
現実を受け入れることができるかどうか
この本を読んで、人生に失敗し失望した原因として思い当たる節がたくさんあって、かえって辛くなった。その辛さを受け入れなければ幸せにならないという。「それは分かっているんだけど…」という気持ちと、現在格闘中。この先生の記述は正論だがかなり辛辣で、具体的にこうすれば良いというようなアドバイスは一切ないので、こころの悩みを抱えている人は、立ち読みしてから買う買わないを決めたほうが良い。多少救われると思うことがあるとしたら、このような本が出るということは、自分のような悩みを抱えて生きている人がたくさんいる、自分ばかりが不幸なのではない、ということかな。むしろ、「こころを病ませる人間の気が知れない」と思っている人、親子関係に気分の良さを感じない人(特に親)は必読。