これからの時代の生き方を示唆してくれているように思えてならないのだが、依然「犬型」中心の日本では、果たして…。先日も生きたままの子猫がゴミのごとく捨てられたというニュースもあった。ネコ型には生きづらい。自分が「ネコ型」のファーストペンギンになるくらいでないと。でも、そんな野心もないにゃ~、と思う私はホントに「ネコ型」なのか?
この本を読んで、人生に失敗し失望した原因として思い当たる節がたくさんあって、かえって辛くなった。その辛さを受け入れなければ幸せにならないという。「それは分かっているんだけど…」という気持ちと、現在格闘中。この先生の記述は正論だがかなり辛辣で、具体的にこうすれば良いというようなアドバイスは一切ないので、こころの悩みを抱えている人は、立ち読みしてから買う買わないを決めたほうが良い。多少救われると思うことがあるとしたら、このような本が出るということは、自分のような悩みを抱えて生きている人がたくさんいる、自分ばかりが不幸なのではない、ということかな。むしろ、「こころを病ませる人間の気が知れない」と思っている人、親子関係に気分の良さを感じない人(特に親)は必読。
タイトル自体はものすごく癒しを感じるが、本文にある「なせ人は心を病ませるのか」に対する分析は、心を病んでいる当人にとってはかなり辛辣で、かえって辛くなるかもしれない。他人に甘えず、他人に迎合せず、嫌われようがどうなろうが自分の長短を受け入れて自分の人生を生きろ、という著者の指摘は、気が楽になるよりはそれこそ逆に責められているようにも感じる。しかし、あまりにも正論なので、返す言葉がない。「こうすれば、悩みは消える」と言っているのだが、変な期待をもって読むと「あなたがこうだから、あなたは鬱になるのだ」といわれているように、逆に責められているようにも読める。むしろこの本は、鬱への理解が皆無に等しい、心の病に対して無頓着な人が読んで、鬱に苦しむ人との接し方を考えるための本かもしれない。もちろん、鬱を克服したいと思う人も、その勇気を得るためには読んだほうがいいのだが、かなり受け入れるには時間がかかるかもしれない。彼の本を何冊も読んで、いまいち理解ができないのは、幼児期に経験するはずの「甘え」を経験しないで年だけとって鬱や神経症に悩んでしまったならば、いくつであろうが幼児的願望を満たしなさい、そうすれば鬱は治る、と言っているのだろうか?
要するに「自分の心は自分でしっかり守りなさい」ということ。あまりタイトルや帯に書かれているようなイメージ通りの癒しは、本文からは期待できない。人に迎合した生き方をするな!と割り切って生きていけたら、確かに楽だと思うが、この国では難しそう…。指摘は確かに厳しいけど言っていることは間違いない。加藤諦三先生の本は、心が病んでいる当の本人もさることながら、心を病ませる人間の気が知れないと思っている人が、理解を得るために読むべきかもしれない。
転勤による環境の変化と、行った先での人間関係の反りの合わなさに、軽く鬱をやり、その煽りから(としか原因が思いつかない)癌もやった私にとって、思い当たる節ありあり。自身の気持ちを落ち着かせるためにも、そして、周りに鬱に悩む人がいるという人にとっても、必読の漫画である。特に、鬱になる人間の気持ちがいまいち分からないという、昔ながらの精神論・根性論者には、ぜひとも読んでもらいたい。そういう伝統こそが人を鬱に陥れていることに、かけがえのない命が絶たれないうちに気づいていただきたい。
期間限定の特別価格でプレミアムサービスを体験
あなたのビジネスを次のレベルへ
© Copyright 2025, All Rights Reserved
「ネコ型」人間の時代(874)
これからの時代の生き方を示唆してくれているように思えてならないのだが、依然「犬型」中心の日本では、果たして…。先日も生きたままの子猫がゴミのごとく捨てられたというニュースもあった。ネコ型には生きづらい。自分が「ネコ型」のファーストペンギンになるくらいでないと。でも、そんな野心もないにゃ~、と思う私はホントに「ネコ型」なのか?
[新装版]人生の悲劇は「よい子」に始まる
この本を読んで、人生に失敗し失望した原因として思い当たる節がたくさんあって、かえって辛くなった。その辛さを受け入れなければ幸せにならないという。「それは分かっているんだけど…」という気持ちと、現在格闘中。この先生の記述は正論だがかなり辛辣で、具体的にこうすれば良いというようなアドバイスは一切ないので、こころの悩みを抱えている人は、立ち読みしてから買う買わないを決めたほうが良い。多少救われると思うことがあるとしたら、このような本が出るということは、自分のような悩みを抱えて生きている人がたくさんいる、自分ばかりが不幸なのではない、ということかな。むしろ、「こころを病ませる人間の気が知れない」と思っている人、親子関係に気分の良さを感じない人(特に親)は必読。
あなたは、あなたなりに生きれば良い。
タイトル自体はものすごく癒しを感じるが、本文にある「なせ人は心を病ませるのか」に対する分析は、心を病んでいる当人にとってはかなり辛辣で、かえって辛くなるかもしれない。他人に甘えず、他人に迎合せず、嫌われようがどうなろうが自分の長短を受け入れて自分の人生を生きろ、という著者の指摘は、気が楽になるよりはそれこそ逆に責められているようにも感じる。しかし、あまりにも正論なので、返す言葉がない。「こうすれば、悩みは消える」と言っているのだが、変な期待をもって読むと「あなたがこうだから、あなたは鬱になるのだ」といわれているように、逆に責められているようにも読める。むしろこの本は、鬱への理解が皆無に等しい、心の病に対して無頓着な人が読んで、鬱に苦しむ人との接し方を考えるための本かもしれない。もちろん、鬱を克服したいと思う人も、その勇気を得るためには読んだほうがいいのだが、かなり受け入れるには時間がかかるかもしれない。彼の本を何冊も読んで、いまいち理解ができないのは、幼児期に経験するはずの「甘え」を経験しないで年だけとって鬱や神経症に悩んでしまったならば、いくつであろうが幼児的願望を満たしなさい、そうすれば鬱は治る、と言っているのだろうか?
「自分の心」をしっかり守る方法
要するに「自分の心は自分でしっかり守りなさい」ということ。あまりタイトルや帯に書かれているようなイメージ通りの癒しは、本文からは期待できない。人に迎合した生き方をするな!と割り切って生きていけたら、確かに楽だと思うが、この国では難しそう…。指摘は確かに厳しいけど言っていることは間違いない。加藤諦三先生の本は、心が病んでいる当の本人もさることながら、心を病ませる人間の気が知れないと思っている人が、理解を得るために読むべきかもしれない。
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち
転勤による環境の変化と、行った先での人間関係の反りの合わなさに、軽く鬱をやり、その煽りから(としか原因が思いつかない)癌もやった私にとって、思い当たる節ありあり。自身の気持ちを落ち着かせるためにも、そして、周りに鬱に悩む人がいるという人にとっても、必読の漫画である。特に、鬱になる人間の気持ちがいまいち分からないという、昔ながらの精神論・根性論者には、ぜひとも読んでもらいたい。そういう伝統こそが人を鬱に陥れていることに、かけがえのない命が絶たれないうちに気づいていただきたい。