切なくも美しい、英雄たちの後日譚

魔王を倒した後から始まる物語。 通常このようなファンタジーは短編か、ギャグに特化した分野でした。しかし、これは短編でもギャグでもなく、穏やかに続く長編物のようです。 「種族差の寿命による時間感覚の違い」という難しいテーマを見事に描いています。初めの2話で魔王を倒したパーティーの二人が老いで死んでいきます。物悲しく切ないのに、なぜか美しく良かったと思わせるお話となっております。この辺は作者の力量の高さが窺えます。 この2話が話のピークかと思いきや、その後の物語もなかなかの出来栄えです。 しかし、良くこれが、週刊少年漫画に掲載されているなと改めて驚かされます。メジャー誌はエロや暴力描写ばかりでキャラが下品なリアクションしかしない、と思っていましたが、これは別格です。 抑えた表情、静かな物語、美しい風景・・。吹き出しのない小さなコマでさえ、物語が窺える緻密な絵、絵、絵・・・。(個人的にはハイターがフリーレンのスープに嫌いな具(おそらく)を投げ入れているシーンがツボでした) 「魔王を倒した後日譚マンガ」というと際物のように思えますが、むしろ「生」と「死」と「残された者たちの思い」を正面からとらえた、真っ向勝負の漫画です。今、一番のおすすめ。