どこか懐かしい木暮荘

築数十年になる木暮荘というおんぼろアパートに住む住人達と、彼らと交流のある人たち。 人が心に抱えて生きている悩みが、隣人どうし自然なつきあいを持つことによりつながり、癒されていく。 それぞれの章に性のテーマが繰り広げられ、それがごく人間的な部分であり、さらっと描かれていることに、作者の上手さが感じられる。 「黒い飲み物」の佐伯さんの嫉妬に慄き、『ピース』の女子大生の不妊がもたらす感情に涙した。