坂の上の雲 完読

昨年12月から読み始め、忙しくなって途中長期中断もありましたが、合間を見つけて細切れの時間で読み進め、7月中ごろやっと全8巻完読です。久々の長編でした。映画でもそうですが、終わりへと向かう流れは一気に進み、あっけなくジエンド、軽い虚脱感が残る感覚になりますね。この坂の上の雲は最初こそ、秋山兄弟、正岡子規の3人中心の話かと思いきや3巻後半くらいから、3人の人物描写はほとんどなくなり、完全に日露戦争一色の内容になり、エンディングで秋山兄弟の最期も淡々と事実だけが簡単に書かれていたの(最期は兄好古の死でした)で余計にそう感じました。 最終第8巻は日露戦争のクライマックスである日本海海戦がドキュメンタリータッチで克明に書かれています。その後はあっけないくらいに簡潔に戦争終結、秋山兄弟のその後という流れです。 陸の奉天会戦の勝利はやはり勝ちといっても六分四分で、日本が優勢になっただけで、明らかに勝ったというためには、まさしくこの日本海海戦で敵艦を1艦たりともウラジオストックへ逃すことなく、勝利をおさめる必要があったのです。 日本は、戦略的に圧倒的にロシアより勝っていた上、運も味方したことから奇跡的に悲願の大勝利を得ることができました。 しかし、この日露戦争の勝利により調子にのった日本は、その後の歴史が示すとおり、軍部の独走、台頭を許すことになり、日本は破滅への道に向かい、世界から孤立、全世界を相手に戦争することとなり、最期は太平洋戦争でアメリカに原爆を落とされ無条件降伏するという歴史の流れになります。 維新後の明治時代の歴史はあまり詳しくなかったので、勉強になりました。ただ途中からほとんど戦争描写一色の内容になり、主人公の人物描写がほぼなくなってしまったところは純粋に『小説』としてという観点からは少々物足りなさを感じました。