みんなが忘れている・目を背けていること

平成11年に茨城県東海村で起きた JCO臨界事故のドキュメンタリー本です。 原子力や、医療の専門家ではない著者が、 取材で実際に見聞きし、勉強を重ね、 報道人として多くの人に伝えたいことを、 わかりやすくかつ客観的に 刻々と変転していく被害者の症状、 それを取り巻き必死で対応しようとしていく人達の姿を 書き綴っていいます。 十数年前に盛んにニュースや報道特集で見て、 分かっていたつもりの事件でしたが、 改めて読んでみると、 本当に背筋の凍る思いで一気に いや、事実が重すぎて、時には本を一時置きながら、 読みました。 3.11の翌日にアナウンサーが 簡単に「臨界」という単語を読み上げたとき 私がすぐにはピンとこなかったものの、 一瞬おぞけを感じたのは この事件の報道をうっすら覚えていたからなのでしょう。 皆様もご承知のとおり 3.11後本日に至るまで福島原発の(正確には国内総ての原発を含む) 「臨界」の危機は依然として目の前にあります。 また、その危機を克服する手段・見通しさえ全く立っていないのが現状です。 電力需要量云々より致命的な問題を皆が論じることなく 物事が決まっていく中、 JCOのことなら知っている、と思われるかもしれませんが 一度立ち止まって本書を手に取ってみることをお勧めします。 価値観が変わる一冊になるかもしれません。