軽いミステリ

隠れ家的なバー「トラップハンド」のマスター、神尾武史は元マジシャン。姪の美菜の婚活をサポートしながら、しかしマジックを使って相手の素性などを見抜き、伴って様々な事件の謎を解く。そうした設定による短編6作。ミステリとはいえ軽い読み物だ。どうという内容ではないが褒めるとしたら最後に収められた「査定する女」か。締めくくりがちょっと甘いが構成はよく練られている。文章に切れ味がないのは相変わらずだが、この作家はアイデアで勝負する人と割り切って楽しんでいる。売れっ子になって食い物の話題が増え、文士劇でも活躍しているらしいから、芝居の話が多いのは、ご愛嬌か。