素材

29歳の若さで旅立った天才棋士・村山聖の生涯を追ったノンフィクション。この種の書き物は素材が命であり、とりわけ難病は胸を打つ。しかも羽生善治をさえ唸らせた存在とくれば言うことのない素材だろう。ただ、将棋を知らない読み手には今イチ、親近感がない。逆に言えば、将棋ファン向きの作品。何しろ作者は、将棋雑誌の記者だったのだから。