なんで芥川賞?

母校の高校ラグビー部で監督の補佐を務める陽介が主人公だが、現在は公務員試験を目指している大学四年生。著者の出身校である慶應義塾が舞台であることは容易に想像できる。ラグビーのほか、漫才ライブ、セックスなど今時の大学生活が描かれているわけだが、じゃあ何が言いたいのとなると疑問が残る。大学の文学サークルにでも属していれば、この程度は簡単に書けるのではないか。その点でも「なんで芥川賞?」の疑問。その昔、「アイコ16歳」で文藝賞を獲った堀田あけみ氏と大して変わらない。堀田氏と同様、読みやすい文章で、昨今の芥川賞受賞作に見られる難解さ、悪く言えば独りよがりの作品とは一線を画す文体ではあったが。さして評価できるものではあるまい。