圧倒的なリアリティ、そして哀しみ
米原万里の初の小説。
フィクションですが、実話に基づいているためリアリティがあり、スピーディな展開に引き込まれ、一気に読了。
独裁者としてのスターリンの存在は勿論知っていたけれど、大粛清についてほとんど無知であった私は、まだ遠い過去ではない時代にこんなにも理不尽で残虐で悲しいことが行われていたことに大きなショックを受けました。
特に、我が子と引き離されて連行された女性たちに関する部分は、同じく子を持つ親として、涙が止まりませんでした。
小説としての面白さに加え、どこか遠い話としてしか捉えていなかったロシアの歴史上の実際の出来事についても関心を持つきっかけを与えてくれたこの本は、特別な一冊になりました。
もっともっと彼女の小説を読みたかった。
その早すぎる死が、残念でなりません。
著者が在籍していたプラハのソビエト学校が舞台なので、「嘘つきアーニャの真っ赤な果実」が好きだった人には特におすすめです。
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