社会が見ていない事実

本書解説p327より。 「私たちは前途有為の政治家を失ったが、代わりに、優れたジャーナリストと果敢な福祉活動家を得たのだ」 という言葉がある。まさにその通りだと思う。 我が国は、他の先進国よりも充実した社会福祉制度を持っている国家ではあると思う。 だが、本書の扱っているものはタイトルのとおり『累犯』『障害者』である。すなわちセーフティネットに拾ってもらえなかった、或いは制度の存在すらも知りえなかった人間達が、社会のどの場よりも居心地の良い棲み家として刑務所を選択したり、罪を重ねざるをえなく刑務所が終の棲家になってしまっている人達がいることを焙り出したものである。 少々脱線してしまうが、2007年9月佐賀県において授産施設に勤務していた人物が帰宅途中、警察官に取り押さえられその直後に急死した事件を覚えてられる方はいるだろうか。私はこの事件に関して、マスコミの第一報こそ記憶にあるが続報に関してはとんと記憶にない。 著者山本氏も指摘しているように、障害者に関する報道に関してはマスコミは急にトーンダウンしてしまう。自民党を叩く時の傍若無人ぶりを少しでいいから発揮してほしいものだが・・。 無論解答のでる問題ではないが、我々ではなく「社会」がいかに障害者に対してネットを張るべきなのか考えさせられる一冊である。 本書は、購入されても損にはならない一冊と思います。