国語の授業の教材研究にお勧めの一冊

中学・高等学校の教科書に採択されている作品がまとめて読めます。「バスに乗って」は、入院中の母親のお見舞いにバスに乗って通う少年の物語ですが、バスの回数券を使うと母親の入院期間が長引くと思い、回数券最後の一枚を使いたくない一心で、バスの運転手さんに事情を話す場面が教材的にはヤマの部分です。「自分の思いを言葉で伝える」ことの大切さ。バスの半券にメッセージを記すくだりも、運転手さんへの感謝の思いを自分なりの言葉で伝えようとする少年の成長過程が描かれています。少年の成長を中心に授業内容を組み立てていくとき、その前後の物語を読んでいるのとそうでないのとでは、生徒に伝えたい思いに大きな差が生まれると思います。読んでいないと、生徒に気が付いてほしい点を教師の側が見落としてしまうかもしれません。教材として扱われる国語の教員の皆さんには、ぜひ全編読んでおいてほしい一冊でした。40年ほど前の津山市が舞台でしたので、私的にはなつかしさも感じながら読めました。