赤ペン

ファッション誌の編集者を志望して出版社に入った主人公・河野悦子が、文芸誌の校閲部に配属されてしまう。そのジレンマ、周囲との関係などを描くラノベ。本来、純文学の書き手だろうと察するが、だとしたら器用な人か。ただし、P157「作家の大変さが判るの」という台詞。「理解できるの」という意味なら「解るの」だし、無難に書けば「分るの」だろう。P184にも……ふたりで食べる夕飯は結構楽しかった、とあるが、夕飯は楽しかった、さて。ふたりで摂る夕食は楽しかった、これが普通では。この他、服飾、飲食の話題が多いため、カタカナ濫用。?、!、さらには!!も気になる。こうしたマークを使わず表現するのがすぐれた書き手の筈。校閲という黒衣にスポットを当てた点は評価するが、赤ペンも加えたい。重箱の隅をつつくのが、校閲の仕事。