「漠然と、薄々と“そういうことかな?”と感じていた」という次元の事柄に関して、「知らない振りをしていたかもしれない事実」をドンドン挙げて、ジワジワと迫りながら展開する論というように感じられた。 何処の国や地域であっても、そして誰しもが、手近で様々なモノを購入し、色々なサービスを利用し、それらを収入によって贖っている。そうである以上、「モノやサービスがもう少し安く?」か「収入がもう少し多く」という程度のことは思うものであろう。 日本国内に在ってそういうようなことを考えた場合、「やや変?」なのかもしれない。実は「モノやサービスは諸外国に比べて、場合によっては“異様?”な程度に安い」とか「収入は諸外国と比較して相対的には全然伸びなくなって既に久しい」というようなことが、「知らない振りをしていたかもしれない事実」として「現に存在する!」というのが本書の論旨で、「価格を抑え、給与の伸びを抑え、何やら身動きも取れない?」というような「危機的状況?」を示唆しようとしている訳だ。 新聞連載を基礎にしながら、一定程度の加筆等も行ったという本書は非常に読み易い。「Aが好くなく、Bが好い」か、逆に「Bが好くなく、Aが好い」というような「択一的に比較検討」ということでもなく、「こういう側面?」と「考える材料」に出来れば善いのかもしれないと思いながら本書を読み進んだ。 本書の内容は、本当に「漠然と、薄々と“そういうことかな?”と感じていた」ということばかりで、同時に「このままで、あと5年、10年、20年と経てば?どうなる?どうする?」というようにも思う。 端的に言えば…実は「モノやサービスは諸外国に比べて、場合によっては“異様?”な程度に安い」とか「収入は諸外国と比較して相対的には全然伸びなくなって既に久しい」という状態で何が起こっているのかということになるのだが…「相対的に“安い!!”と街にがいこくの人達が溢れる」とか「必要な技能や知識を有する人材を国外に求めても来てくれない」というようなことが既に起こった訳だ。最近の“事情”というような事柄も在って、これからの様子は少し予想し悪い面も在るが… 何れにしても、これは広く御薦めしなければならない一冊であると思った。