本作の作者である黒川博行の作品は何作も読んでいる。「関西の都市を主要な舞台に展開する事件モノ」というような内容が多い。本作も一口で言えばそういう内容ということになる。発生する凶悪事件を巡って、犯行に及ぶ側と、被疑者の確保に向けて活動する警察の捜査陣との攻防というような内容になる。 本作冒頭は、大阪府箕面市の高級住宅街の邸宅で、謎の人物が邸宅に住む男を襲撃するという場面が、その襲撃する人物の目線で描かれる。邸宅で働く“お手伝い”の女性が住人の遺体を発見し、警察が事件を認知して捜査に着手する。現場に臨んで捜査に着手する府警捜査一課の捜査員、館野が主要視点人物として登場する。30歳代の館野は、邸宅の在る地域を管轄する箕面北署の暴犯係である50歳代の玉川とコンビを組んで事件の捜査に参画する。 以降、犯行に及んだ側の人物の目線で描かれる部分、捜査に臨む館野達の目線で描かれる部分が概ね交互に出て来る。好からぬ話しが在る、不正に蓄財しているような人物が次々に襲撃され、「強盗殺人事件」が連発する状況下、捜査陣の地道な活動で被疑者が次第に浮かび上がる。被疑者は狡猾で、簡単に正体が判らないように、非常に慎重に行動している。同時に捜査の攪乱を意図した行動まで取る。 本作の、捜査陣側の主役的な位置の館野と玉川が好い感じだ。真面目な館野に対し、飄々としているがなかなか鋭いベテランの玉川というコンビのバランスが好いのだ。この作者に特有なテンポの良い掛け合いで事件の謎に挑む感じで、関係者への“込み”と呼んでいる事情の聴き取りという場面も独特な味わいだ。そして「冷酷なプロ」という様子の被疑者、犯行が重ねられる中で「完璧さ」が少しずつ綻びて行く。 帯に「ラスト5頁まで結論が読めない」と在るが、誇張ではない。被疑者と捜査陣との攻防は息詰まるモノで、読むことが停められなくなってしまう。未だ新しい本なので、これ以上踏み込んだ話題は避けておこうと思う。非常に面白いので、強く御薦めしたい。
本作の作者は幾つかのシリーズ作品を発表している。シリーズ作品に、別のシリーズ作品の主要人物が登場する「相互乗入」というような作品も多く発表している作者であると思う。 この作者の代表的なシリーズの一つに、女性刑事の姫川玲子が活躍するシリーズが在る。警視庁捜査一課の殺人事件係の中で班長を務める警部補だ。熱いモノを滾らせて闘うというイメージのヒロインだと思う。犯罪被害者になってしまい、真摯に励ましてくれた女性刑事が在って、残念ながらその刑事が殉職してしまった中で警察官を志したという経過がシリーズの中で何度も語られる。恐るべき犯行に及ぶ者達を追い、同僚達が殉職してしまうという場面も乗り越えている。口の悪い、少し敵対的な同僚刑事が「奴は死神だ」と言っている。 その姫川玲子のシリーズについては、長篇も短篇集も出ていて、多くを読んでいる。過日読了の短篇集『オムニバス』の中で、次の異動に際して評価の高い女性捜査員が姫川班に配属されるという話しになっていることが示唆される。 その評価の高い女性捜査員というのが、別なシリーズのヒロインである魚住久江である。姫川玲子よりも少し年長である。本部の捜査一課で殺人事件の捜査に従事するということは、既に命を落としてしまった人達い纏わる事柄を調べることに他ならない。であれば、巡査部長昇格時に異動した所轄署の係での活動を通じて、色々な人達を援けられる可能性を追う方が善いと考えていた。その魚住久江が捜査一課へ異動し、姫川班に配置されるのが本作となる。 この作者の作品の多くは、視点人物が適宜切り替わりながら綴られる。警察の捜査員達が活躍し、事件の謎を解き明かすという物語に関しては、進行中の事件や捜査に関する部分の他に、やや異なる時間軸で事件に関るキーパーソンの回想や想いや行動が綴られる部分が入るという例も多い。本作は正しくそういう様式である。事件に関るキーパーソンの部分、姫川の部分、魚住の部分が入り交じりながら物語が進む。 大胆な推論で、憑りつかれたように駆け回って情報を集める姫川に対し、慎重に関係者の事情を聴取して行く魚住と、なかなかに面白い。そして遺体を発見した所轄署の反町が色々と重要な情報に行き当たる。様々な事実が積み上げられ、事件の謎が解き明かされて行く。 なかなかに面白い!夢中になった…
読み始めて、頁を繰る手が停められなくなり、直ぐに読了に至った一冊だ。本書の場合、「凄く面白い小説」の「停まらない」とは少し違う意味合いで「停まらない」であったと思う。何方かと言えば「少数意見?」なのかもしれないモノの中に在る、真実のようなモノを示されるような気がする叙述が連続しているのである。 2022年2月のウクライナでの事態は、「ロシアによる侵攻」に他ならないので「ロシアは問題」とされ、そういう報じられ方の“一色”という感じだったと思う。それは概ね1年半を経ても大きくは変わっていないと思う。そうした中で「寧ろアメリカが問題」とするのは、既に「少数意見?」というように聞こえるような気がする。が、本書のエマニュエル・トッドは少し前から既にそういう趣旨の観方を示している。 本書はそのエマニュエル・トッドの談を、池上彰が“聞き手”として引き出す対談集のような内容である。フランスと日本とをオンラインで結ぶ対談を繰り返し、その内容を纏めている。 本書では、ウクライナでの事態をエマニュエル・トッドが既に「第三次世界大戦」と評していることを踏まえながら、簡単に収拾し悪い様相になっている世界の危機を論じていると思う。 国々の経済活動は、大局的に観て、何十年間かでその様相を変えて行く。今般、“制裁”の問題等で、ロシアが如何こうということに留まらず、方々の国々の様子が変容を強いられるような様子も既に見受けられることが本書の中で指摘される。そうした意味で事態は既に世界を巻き込んでいる。そして兵器の供給というような事も続くが、これは或いは“参戦”も同然であろう。結果、戦場となってしまったウクライナでの死傷者が増える一方である。 本書の中では、第一次大戦や第二次大戦のように、足掛け5年間程度は戦争状態が続いてしまうかもしれないというようにも指摘されている。そしてそれは「勝者無き戦い」に終始してしまうのかもしれないとも指摘されている。 こういうような「考える材料」は押さえておくべきだと思う。雑誌記事のように手軽に読める本書は御薦めである。
本作は警視庁の警察官が活躍するというシリーズであるが、発生した事件の捜査を行うという担当ではない警察官が活躍している。 作中では「犯罪被害者支援課」という、事件や事故の被害者、その周囲の家族等を支援する担当が設けられ、やがて支援範囲を被害者のみではなく加害者やその周囲の家族等へ拡げた「総合支援課」に改組される。それを踏まえ、当初は「犯罪被害者支援課」というシリーズが綴られていたが、やがて「総合支援課」というシリーズになった。 本作はその「総合支援課」というシリーズの第2作である。シリーズの主要視点人物となるのは、総合支援課に勤務する女性、柿谷晶である。シリーズの前日譚となる作品で捜査一課の捜査員として登場し、シリーズの前作から総合支援課に在る。こういう設定を承知していると、新しい作品で「遠くの知人の消息を知る」というような気分にもなるのだが、知らなくてもシリーズ各作品は愉しむことが叶う。実際、同じ作者の他シリーズに関して、設定を承知せずにシリーズの途中の作品を愉しみ、それが面白いので順次各作品を読むということもしたことが何度も在る。 本作の物語は、柿谷晶が少し若い同僚である秦香奈江と地下鉄で移動しながら、臨むことになった事案に想いを巡らせているという場面から起こる。 支援課が対応することになった事案は2歳の幼児が命を落としたという事件だった。23歳のシングルマザーのアパートに男性が住むようになって、男性が暴力的で、母子に暴力を振るうことも在ったらしい。そして2歳児が死亡し、男性が被疑者として逮捕された。女性は警察署で事情聴取ということになった。その事情聴取を行うことになっている警察署に柿谷と秦は向かっていたのであった。 2歳の息子を喪っている人を支えなければならないということで奔走する中、様々なことが明らかになって行くという展開で、最後迄眼が離せない。そして柿谷が接することになる事件関係者の生き様というようなモノが、何か考えさせられる。更に、同じ作者の他シリーズの作中人物への言及や、一部に共演する場面も在る。そして、柿谷と接点が在る神岡弁護士との挿話も入っていて、2人の関係の行方も気になる感だ。 残念ながらフィクションの中に留まらない、親が幼児の人生に幕を引いてしまうような事案は在る訳だが、本作の中で「親子関係」というようなことを少し考えさせられたという面も在った。
下巻はホフマンの闘いの行方が熱い。そして「陥穽」と呼ばざるを得ない意外な事実が明かされる。社会の「暗部」を物語の形で告発するというのも、このシリーズの特色であろう。
「素泊まり」ということで、「寺の離れに一寸だけ居候させて頂く」という気軽な調子で滞在出来たのが好かった。こういう感じなら「また機会が在れば…」という感じだ。 表通から少し入り込んだ感じながら、手前にコンビニや飲食店も在り、引揚げる際に高野山駅へ向かうバスの停留所も近い。静かな中で、文化財にも触れながら静かに過ごす感じが好いと思う。居室も心地よく、御手洗も在って使い易かった。浴場もなかなかに好かった。 朝の勤行にも確り参加したが興味深かった。名誉住職の講話が好い。そして凄く存在感の在る、本尊の愛染明王を間近で拝んだのは好かった。 本当に関係者の皆様に大感謝!そしてこの素敵な場所を「高野山…折角だから訪ねて1泊…」という方が在れば、ここを「御薦め」に挙げてみたい。
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悪逆
本作の作者である黒川博行の作品は何作も読んでいる。「関西の都市を主要な舞台に展開する事件モノ」というような内容が多い。本作も一口で言えばそういう内容ということになる。発生する凶悪事件を巡って、犯行に及ぶ側と、被疑者の確保に向けて活動する警察の捜査陣との攻防というような内容になる。 本作冒頭は、大阪府箕面市の高級住宅街の邸宅で、謎の人物が邸宅に住む男を襲撃するという場面が、その襲撃する人物の目線で描かれる。邸宅で働く“お手伝い”の女性が住人の遺体を発見し、警察が事件を認知して捜査に着手する。現場に臨んで捜査に着手する府警捜査一課の捜査員、館野が主要視点人物として登場する。30歳代の館野は、邸宅の在る地域を管轄する箕面北署の暴犯係である50歳代の玉川とコンビを組んで事件の捜査に参画する。 以降、犯行に及んだ側の人物の目線で描かれる部分、捜査に臨む館野達の目線で描かれる部分が概ね交互に出て来る。好からぬ話しが在る、不正に蓄財しているような人物が次々に襲撃され、「強盗殺人事件」が連発する状況下、捜査陣の地道な活動で被疑者が次第に浮かび上がる。被疑者は狡猾で、簡単に正体が判らないように、非常に慎重に行動している。同時に捜査の攪乱を意図した行動まで取る。 本作の、捜査陣側の主役的な位置の館野と玉川が好い感じだ。真面目な館野に対し、飄々としているがなかなか鋭いベテランの玉川というコンビのバランスが好いのだ。この作者に特有なテンポの良い掛け合いで事件の謎に挑む感じで、関係者への“込み”と呼んでいる事情の聴き取りという場面も独特な味わいだ。そして「冷酷なプロ」という様子の被疑者、犯行が重ねられる中で「完璧さ」が少しずつ綻びて行く。 帯に「ラスト5頁まで結論が読めない」と在るが、誇張ではない。被疑者と捜査陣との攻防は息詰まるモノで、読むことが停められなくなってしまう。未だ新しい本なので、これ以上踏み込んだ話題は避けておこうと思う。非常に面白いので、強く御薦めしたい。
マリスアングル
本作の作者は幾つかのシリーズ作品を発表している。シリーズ作品に、別のシリーズ作品の主要人物が登場する「相互乗入」というような作品も多く発表している作者であると思う。 この作者の代表的なシリーズの一つに、女性刑事の姫川玲子が活躍するシリーズが在る。警視庁捜査一課の殺人事件係の中で班長を務める警部補だ。熱いモノを滾らせて闘うというイメージのヒロインだと思う。犯罪被害者になってしまい、真摯に励ましてくれた女性刑事が在って、残念ながらその刑事が殉職してしまった中で警察官を志したという経過がシリーズの中で何度も語られる。恐るべき犯行に及ぶ者達を追い、同僚達が殉職してしまうという場面も乗り越えている。口の悪い、少し敵対的な同僚刑事が「奴は死神だ」と言っている。 その姫川玲子のシリーズについては、長篇も短篇集も出ていて、多くを読んでいる。過日読了の短篇集『オムニバス』の中で、次の異動に際して評価の高い女性捜査員が姫川班に配属されるという話しになっていることが示唆される。 その評価の高い女性捜査員というのが、別なシリーズのヒロインである魚住久江である。姫川玲子よりも少し年長である。本部の捜査一課で殺人事件の捜査に従事するということは、既に命を落としてしまった人達い纏わる事柄を調べることに他ならない。であれば、巡査部長昇格時に異動した所轄署の係での活動を通じて、色々な人達を援けられる可能性を追う方が善いと考えていた。その魚住久江が捜査一課へ異動し、姫川班に配置されるのが本作となる。 この作者の作品の多くは、視点人物が適宜切り替わりながら綴られる。警察の捜査員達が活躍し、事件の謎を解き明かすという物語に関しては、進行中の事件や捜査に関する部分の他に、やや異なる時間軸で事件に関るキーパーソンの回想や想いや行動が綴られる部分が入るという例も多い。本作は正しくそういう様式である。事件に関るキーパーソンの部分、姫川の部分、魚住の部分が入り交じりながら物語が進む。 大胆な推論で、憑りつかれたように駆け回って情報を集める姫川に対し、慎重に関係者の事情を聴取して行く魚住と、なかなかに面白い。そして遺体を発見した所轄署の反町が色々と重要な情報に行き当たる。様々な事実が積み上げられ、事件の謎が解き明かされて行く。 なかなかに面白い!夢中になった…
問題はロシアより、むしろアメリカだ
読み始めて、頁を繰る手が停められなくなり、直ぐに読了に至った一冊だ。本書の場合、「凄く面白い小説」の「停まらない」とは少し違う意味合いで「停まらない」であったと思う。何方かと言えば「少数意見?」なのかもしれないモノの中に在る、真実のようなモノを示されるような気がする叙述が連続しているのである。 2022年2月のウクライナでの事態は、「ロシアによる侵攻」に他ならないので「ロシアは問題」とされ、そういう報じられ方の“一色”という感じだったと思う。それは概ね1年半を経ても大きくは変わっていないと思う。そうした中で「寧ろアメリカが問題」とするのは、既に「少数意見?」というように聞こえるような気がする。が、本書のエマニュエル・トッドは少し前から既にそういう趣旨の観方を示している。 本書はそのエマニュエル・トッドの談を、池上彰が“聞き手”として引き出す対談集のような内容である。フランスと日本とをオンラインで結ぶ対談を繰り返し、その内容を纏めている。 本書では、ウクライナでの事態をエマニュエル・トッドが既に「第三次世界大戦」と評していることを踏まえながら、簡単に収拾し悪い様相になっている世界の危機を論じていると思う。 国々の経済活動は、大局的に観て、何十年間かでその様相を変えて行く。今般、“制裁”の問題等で、ロシアが如何こうということに留まらず、方々の国々の様子が変容を強いられるような様子も既に見受けられることが本書の中で指摘される。そうした意味で事態は既に世界を巻き込んでいる。そして兵器の供給というような事も続くが、これは或いは“参戦”も同然であろう。結果、戦場となってしまったウクライナでの死傷者が増える一方である。 本書の中では、第一次大戦や第二次大戦のように、足掛け5年間程度は戦争状態が続いてしまうかもしれないというようにも指摘されている。そしてそれは「勝者無き戦い」に終始してしまうのかもしれないとも指摘されている。 こういうような「考える材料」は押さえておくべきだと思う。雑誌記事のように手軽に読める本書は御薦めである。
最後の光 警視庁総合支援課2
本作は警視庁の警察官が活躍するというシリーズであるが、発生した事件の捜査を行うという担当ではない警察官が活躍している。 作中では「犯罪被害者支援課」という、事件や事故の被害者、その周囲の家族等を支援する担当が設けられ、やがて支援範囲を被害者のみではなく加害者やその周囲の家族等へ拡げた「総合支援課」に改組される。それを踏まえ、当初は「犯罪被害者支援課」というシリーズが綴られていたが、やがて「総合支援課」というシリーズになった。 本作はその「総合支援課」というシリーズの第2作である。シリーズの主要視点人物となるのは、総合支援課に勤務する女性、柿谷晶である。シリーズの前日譚となる作品で捜査一課の捜査員として登場し、シリーズの前作から総合支援課に在る。こういう設定を承知していると、新しい作品で「遠くの知人の消息を知る」というような気分にもなるのだが、知らなくてもシリーズ各作品は愉しむことが叶う。実際、同じ作者の他シリーズに関して、設定を承知せずにシリーズの途中の作品を愉しみ、それが面白いので順次各作品を読むということもしたことが何度も在る。 本作の物語は、柿谷晶が少し若い同僚である秦香奈江と地下鉄で移動しながら、臨むことになった事案に想いを巡らせているという場面から起こる。 支援課が対応することになった事案は2歳の幼児が命を落としたという事件だった。23歳のシングルマザーのアパートに男性が住むようになって、男性が暴力的で、母子に暴力を振るうことも在ったらしい。そして2歳児が死亡し、男性が被疑者として逮捕された。女性は警察署で事情聴取ということになった。その事情聴取を行うことになっている警察署に柿谷と秦は向かっていたのであった。 2歳の息子を喪っている人を支えなければならないということで奔走する中、様々なことが明らかになって行くという展開で、最後迄眼が離せない。そして柿谷が接することになる事件関係者の生き様というようなモノが、何か考えさせられる。更に、同じ作者の他シリーズの作中人物への言及や、一部に共演する場面も在る。そして、柿谷と接点が在る神岡弁護士との挿話も入っていて、2人の関係の行方も気になる感だ。 残念ながらフィクションの中に留まらない、親が幼児の人生に幕を引いてしまうような事案は在る訳だが、本作の中で「親子関係」というようなことを少し考えさせられたという面も在った。
三年間の陥穽 下
下巻はホフマンの闘いの行方が熱い。そして「陥穽」と呼ばざるを得ない意外な事実が明かされる。社会の「暗部」を物語の形で告発するというのも、このシリーズの特色であろう。
金剛三昧院
「素泊まり」ということで、「寺の離れに一寸だけ居候させて頂く」という気軽な調子で滞在出来たのが好かった。こういう感じなら「また機会が在れば…」という感じだ。 表通から少し入り込んだ感じながら、手前にコンビニや飲食店も在り、引揚げる際に高野山駅へ向かうバスの停留所も近い。静かな中で、文化財にも触れながら静かに過ごす感じが好いと思う。居室も心地よく、御手洗も在って使い易かった。浴場もなかなかに好かった。 朝の勤行にも確り参加したが興味深かった。名誉住職の講話が好い。そして凄く存在感の在る、本尊の愛染明王を間近で拝んだのは好かった。 本当に関係者の皆様に大感謝!そしてこの素敵な場所を「高野山…折角だから訪ねて1泊…」という方が在れば、ここを「御薦め」に挙げてみたい。