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「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました。」アイヌの民たちが語り合い、口伝えに謡い継いできた美しい言葉と物語。伝承を後世に残し、アイヌを知る多くの人々に読んでほしい。進みゆく世に抗し、熱き思いと希望を胸に知里幸惠(一九〇三─二二)が綴り遺した珠玉のカムイユカㇻ。新たな解説を付す補訂新版。 序 梟の神の自ら歌った謡「銀の滴降る降るまわりに」 Kamuichikap kamui yaieyukar,“Shirokanipe ranran pishkan” 狐が自ら歌った謡「トワトワト」 Chironnup yaieyukar,“Towa towa to” 狐が自ら歌った謡「ハイクンテレケ ハイコシテムトリ」 Chironnup yaieyukar,“Haikunterke Haikoshitemturi” 兎が自ら歌った謡「サンパヤ テレケ」 Isepo yaieyukar,“Sampaya terke” 谷地の魔神が自ら歌った謡「ハリツ クンナ」 Nitatorunpe yaieyukar,“Harit kunna” 小狼の神が自ら歌った謡「ホテナオ」 Pon Horkeukamui yaieyukar,“Hotenao” 梟の神が自ら歌った謡「コンクワ」 Kamuichikap Kamui yaieyukar,“Konkuwa” 海の神が自ら歌った謡「アトイカ トマトマキ クントテアシ フム フム!」 Repun Kamui yaieyukar,“Atuika tomatomaki kuntuteashi hm hm !” 蛙が自らを歌った謡「トーロロ ハンロク ハンロク!」 Terkepi yaieyukar,“Tororo hanrok hanrok !” 小オキキリムイが自ら歌った謡「クツニサ クトンクトン」 Pon Okikirmui yaieyukar,“Kutnisa kutunkutun” 小オキキリムイが自ら歌った謡「この砂赤い赤い」 Pon Okikirmui yaieyukar,“Tanota hurehure” 獺が自ら歌った謡「カッパ レウレウ カッパ」 Esaman yaieyukar,“Kappa reureu kappa” 沼貝が自ら歌った謡「トヌペカ ランラン」 Pipa yaieyukar,“Tonupeka ranran” 知里幸惠さんのこと(金田一京助) 神謡について(知里真志保) 補訂にあたって(中川 裕) 解説(中川 裕)
レビュー(7件)
映画『カムイのうた』を観て、映画のヒロインのモデルとなった知里幸恵が遺したという本に興味を覚えた。よく知られている本だと思うが、初めて読んだ。 「銀の滴降る降る」で知られる本書の冒頭の作品は、「人間界を見詰めるフクロウに化身した神」の独白とされるそうだが、何か強い印象を残す。 喪われる自分達の言葉を遺すべく、文字どおり懸命に綴られた原稿による『神謡集』に、大変に詳しい解説が付された価値在る一冊。知られている本の最近の改訂で御薦め。
美しいアイヌの言葉で、輝く「銀の滴降る降るまわりに」。 本当に多くの人に読んでもらいたいものだ。素晴らしい。