筆者の良識と誠実さが伝わってくる

読みながら自分の生育歴を振り返りました。叱る依存や叱られる側が力を奪われていくメカニズムがとてもわかりやすく言語化されており、首がもげるほど頷きながらあっという間に読みました。と同時に、自分自身も叱る依存に陥ってしまった過去に気づき、自責の念にかられました。とはいえ、最後まで読み切れたのは、筆者の冷静かつ穏やかな文体や、叱る依存に陥った人を告発したり、その人の心の在り方を叱責するようなトーンではなく、叱る依存に対してどのような支援が必要なのか?ということを冷静に論じるスタンスがあったからだと感じています。 「学校教員で叱る依存を学んでいないのは不勉強」「部下を持つ上司が叱る依存を知らないのはまずい」「厳罰主義政策に叱る依存だと批判があがる」という社会状況になるといいなと思いました。私は小学校教員をしていますが、同僚や保護者にも勧めたいと強く思いました。筆者の良識と誠実さが伝わってくる、本当に良い本でした。全ての人に読んでもらいたいです。