俳優三浦春馬を観る作品

春馬の最後の主演作ということで… 内容はさておき、手元に置きたいと予約しました。 ファン目線ではなく客観的に見て、映画そのものの完成度は高くありません。 薩摩藩士時代の五代と架空の人物との恋を軸にした物語がなんと本編1時間20分も使われており、五代友厚という人が何をした人物であったのか、これでは全くわからないのです。 横浜から長崎まで遊女に会うために歩いて帰ったという事実も実際はありません。 設定に無理と無駄がありすぎです。要らないシーンが多すぎる。 そのため、ストーリーは少し退屈で間延びした感じが否めないかな。映画館で寝ている人も結構見かけましたし、我が両親も観に行くたびに居眠りしておりました。 伝記としても偉人伝としても全く機能しておりません。商都大阪の礎を築いた人物だとはこれでは伝わらない。 春馬の演技を以ってしてなら、それを充分表現できたはずなのに、商都大阪を作っていく理由が架空の人物である遊女との約束のためということになっており、ストーリー的には正直言って辻褄が合わず、奥方との出会いやエピソードはすっ飛ばしてる感満載だし、仕事も何をしたのか全く描かれておらず未完です。 ただ、配給会社が小さな映画会社だったため、経済的に薩摩藩士時代を中心に描かねば、商人になってからの五代を描くにはセットが用意できなかったこと等、おそらく事情があるのでしょう。 予想外のヒットだったため、東宝が買ったようで東宝からの販売ですが、それならなぜ最初から東宝で映画を作ってくれなかったのでしょうか?そうすればもっと力作が撮れたはず。 プロジェクトが小さかったから?疑問が残ります。 ともあれ、本編には全く説明のない、五代が藍染を大阪に持ち込もうとした藍染のハンカチのエピソードを春馬の提案で取り入れたことや、儒学を学び膨大な試料を読んで五代友厚像を自分の中に作り上げた春馬の身を削って撮った血と汗と涙と生きた息吹がそこに在ります。 俳優三浦春馬は、作品の中を活き活きと駆け抜けてゆく。 代表作と呼べるのか、わかりません。 でも、わたしたちは後世に俳優三浦春馬がいかなる才能と努力のひとであったかを語り継ぎ、その意志を受け継ぐ使命があると思っています。 五代友厚伝として、歴史物としては不十分もいいところですが、俳優三浦春馬の勇姿を観る作品です。 一人でも多くの方にお買い求めいただきたいです。