第1部と第2部とは、「第3部の前段」というのか「前回までのあらすじ」という感じかもしれない。第3部は、同じ作者の数々の作品―刑事モノ、警察モノのシリーズ等―で見受けられたような雰囲気が溢れていた。 「同じ作者の数々の作品―刑事モノ、警察モノのシリーズ等―で見受けられたような雰囲気」というのは?“事の真相”に迫ろうとする複数の人達が各々の持ち味等を活かしながら少しずつ事実を積み上げようと努力する他方、“核心”に近い辺りの人達の動きが描かれ、最終的に鍵を握る人物―謎めいた感じで現れる場合も多い―とその周囲に在る人達の何処か哀感溢れるような幾つかの挿話というような、様々なモノが螺旋状に組み合わさるような感じ、そこから醸し出される作中世界の空気感というようなモノである。 或いは「これからの時代の捜査活動?」というような事柄、「社会の安寧を護って行くという意味?」または「個々人の人生と社会と」というような事柄を考えさせるような内容が、第3部には満載だ。 作中世界に没入して「面白かった…」と本を閉じた少し後、「何か妙な事は無いよな…」と後ろを振り返ったり、手近な色々なモノに異常が無いのかを確かめてみたくなるような、そういう雰囲気も在る。