自分の時間を豊かに

本作品は随分と題材と評判で 損をしています。この本を読む前の 段階では「同級生42名が孤島で お互いを殺しあう」という物騒な おぞましい小説という先入観で、 映画「死霊のはらわた」「ゾンビ」 などのようなおぞましさの範疇で あるだろうと思ってしまいます。 しかし、想像と違って、この本は 「純文学」です。 確かに小説ではリアルな殺害の描写があり、 青少年の読む本でないという意見も一理あり ます。むしろ、この本は成人になるとより 深みを味わえます。つまり、大人向きの小説です。 この小説では、私見では、大東亜共和国という 仮想国家で、現在の日本国家を批判しています。 また極限状態の青年により哲学も作者は述べています。 例えば哲学者ハイデガーの「なぜ一体、存在者が あるのか、むしろ、無があるのではないのか?」と 云う言葉をある青年を借りて言っております。 兎も角、軽い読み物ではありません。そして、 書き方もうまい!少なくとも、年期の入った書き方は ベテラン作家に類します。デビュー作としては。 それぞれの人物の描写が丹念に描かれております。 大人であれば、ぜひ、一読して人間の生き方を一考!