花魁の中には「太夫」などとよばれて華やかに過ごす人もいたというイメージが大きかったが、著者は普通の、一介の娼妓であり、その日記だ。 半ば口利きやに騙されたような流れの中、家のために生娘のまま、情報も無いまま田舎から体を売る商売に売られる悲しさ。 恐怖、憤り、憐れさ…著者はむしろ淡々と書いている。それが却って、こちらの胸に突き刺さる。嫌な客の詳細を書かなかったのは、あえて思い出したくなかったのだろうか。 それでも、日が経つにつれ、男の扱いに慣れていく様子がわかり、それがまたも悲しさを大きくさせる。 非常に知的水準の高いであろう著者にとってのこの日々は、相当な辛さであっただろう。 軽い気持ちで読める一冊ではないと思う。 今の時代、自分は不幸だと思っている方は一読してみてもいいかも。