今、日本人が読むべき1冊

現代とは価値観が違う背景の中、黒川開拓団という団体で渡った満州での生活は私の想像を絶する悲惨なものだった。開拓女塾では貞操観念や大和魂を叩き込まれた17歳以上の未婚女性なのに敗戦するやいなや有無も言えず、皆の命を守るために接待の実情も知らぬまま幹部の命令の元ロシア兵に差し出されたという事実。そんなつもりで娘を育てたわけではないという力の弱い父親を残して劣悪な環境の中、性病や伝染病で命を落としていく娘もいたという。生き残った女性たちが温かく迎えられるわけでもなく、差別を受けながらもひっそりと懸命に生きてきたことを90代に入った玲子さんが実名報道を希望したことに戦争を風化せず、二度と戦争を起こしてはいけないという強い意志を感じた。 今ウクライナに戦争を仕掛けて多数の市民が命を落としている中、ロシアという国を知りたくて読んだけれども一言では感想を言えない気持ちになった。読み終えたばかりの今は一刻も早く攻撃を止めろプーチン!ということしか思いつかない。