論理的思考ができる人なら文系でもOK

著者のものはコラム程度しか読んでいませんでしたが文体が肌に合う気がしていたので話題の本ということもあり購入しました。結論から言えば数年に一冊の名著です。冒頭やや散漫な印象がありましたが、すべてが隠喩であり伏線として最後まで機能しています。(密かに織り込まれた皮肉は著者の本音か…(^_^;;)あとがきまで含めて構造体であり、タイトルの理由を行間で明らかにしているあたり誠にあっぱれです。優れたドキュメンタリーにして文芸作品と言えるでしょう。読後感は映画を見たようでさえあります。文系向きかどうかで言えば、亀の子レベルの構造式は要求されないので理解は可能です。しかし、与えられた条件から対象を想像したり再構築する論理的思考能力は必要です。また本書には図解が最低限しかないため、存分に楽しむには高校生物を修了(履修しただけじゃダメですよ~)していることが望ましい。自分は生物系研究室に所属していたのでほぼ全てのエピソードを知っていて疑問なく(それこそミステリー的に楽しく)読み進められましたが、詳しくない人でもその人なりの楽しみが出来る内容だと思いました。その点でも良書だと言えます。