初版1951年発表のJ.D.サリンジャー代表的な長編小説。以前白水社の野崎孝氏訳版で読んだものだが、今回村上春樹氏の文体でもう一度読んでみたくなり購入。元々語り部が17歳の少年であり、彼の目を通して語られる世界なので当時の少年が日常使っていただろう口語文体がより自然に感じられて面白い。読む時期、その年代で主人公の像が変わる稀な小説で、少年~青年期の世間知らずで未熟な自分には共感も多かったはずなのだが、今回社会生活を経験して改めて読んでみると彼は「著しく心理的な問題を持った者」として映ってしまう。その点でも今回再読してみて良かったと思う。