生物学的エッセイ?
前作「生物と無生物のあいだ」も面白かったが、やや感傷的なところが目に付いた。本書ではこなれてきたのか、よい読み物になっています。
生物学的に見ると、生命の基本仕様は女(メス)であり、男は女からの派生である。派生であるが故に、完全ではなく、DNAレベルでも傷つきやすいからガンにもなりやすく、寿命も短い。最初の生命はメスだけの単為生殖であったが、DNAが同じなので、環境の変化に弱い。2つの性を持つ生物の特徴は、オスを通じてDNAを交換することによって、多様性を生む出すことであるという。こういう生命観を、男を男たらしめる遺伝子の発見レースの行方を追いながら展開される。最新の科学的知見が拓く新しい世界観を、このように一般にも分かりやすく紹介する試みは、ぜひ多くの分野で行って欲しいと思う。
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