自然科学への指南書
本作は、科学者ジョージ・ガモス『不思議の国のトムキンス』より命名された、「ドミトリーともきんす」という学生寮に、朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹が住んでいる、という設定の元に、彼等の有名な著書の、有名な文章等々が紹介されてゆく、という一風変わった形をとる漫画です。致命的な理系音痴の私ですが、この本には引き込まれました。特に上記科学者達の書かれた文章の美しさに驚き感銘する事しきりでした。高野文子さんという人は、怖ろしいような画力と、怖ろしいような感性でもって、いともあっさりと、苦労の汗の跡ひとつ見せず作品を描く、まさに希有な才能の人です。この本からもまた、沢山の美しい感性を得て、未だこのような漫画家が存在する事に、ただ嬉しい思いがします。
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