知識の棚卸しと掘り下げ

もし一定程度以上の知能を有する知的生命だけが訪問・滞在を許される宇宙ステーションがあり、あなたがそこに招かれたとする。見ず知らずの宇宙人から「あなたはどこから来ましたか?」という問いかけに、どう答えるか――そんな SF めいた設定で始まる本書は、歴とした科学啓蒙書である。著者は、車椅子の天才科学者スティーヴン・ホーキング博士に師事した高水裕一さん。専門は宇宙論で、近年は機械学習を用いた医学物理学の研究にも取り組んでいる。 入国審査で言葉が通じない人のイラスト 冒頭の質問だが、「地球という惑星から来ました」では答えにならない。高水さんは、「海外で初対面の相手にどこから来たのかを聞かれて、いきなり「○○県から来ました!」と答えるようなもの」(16 ページ)と指摘する。ごもっとも。 地球の常識は宇宙の非常識かもしれない――こんな疑問を抱きつつ、要所要所に記されている「偏差値」というキーワードを頼りに、神話・宗教から、物理学、生物学、地学(天文学)の知識の棚卸しをすることができた。そして、子どもの頃から感じている疑問を思い出した――。