ウクライナでの事態を巡り、軍事侵攻発生後に論じた篇、そういう事態が発生する以前、数年前にウクライナ関連の問題を論じた篇と計4篇から成っていて、通読すると非常に大きな「考える材料」ということになると思う。 何やらの“空気感”というようなモノに不必要に圧せられるというのでもなく、積上げた研究―各国の社会を“家族形態”で分類してみるようなこと、そういう形態の変遷、統計に見受けられる人口の状況から社会変化を説くというような独特な内容も多く含む―を基礎とする御自身の観方を話し、それが世に問われる場として、著者は「日本の雑誌」に信頼を寄せていて、その雑誌掲載の口述筆記による文章を基礎に本書が編まれたようだ。一部、外国の雑誌に掲載されたインタビューを翻訳したと見受けられるモノも入っていた。 (敢えてこういう表現を用いるが)「ワーワー」と言って如何なるのでもない。煩雑な事態に関しては、可能な範囲で“材料”を集めて学ぶべきだ。本書はそういうモノに十分になると思う。そういう意味で広く御薦めしたい。