「モルグ街の殺人」はデュパン氏による綿密な推論が、「盗まれた手紙」では高度に政治的な圧力を掛けるために利用された手紙を巡る駆け引きが有名な作品。どちらも最も興味を惹かれる事件に至るまでの部分が、ちょっと理屈っぽく持論が説明的に延々と続くので、すこし読みづらく感じてしまうところがある。段落切り替えが少ない構成で、行間が詰まっているのもそう感じさせる要因かも知れない。「黄金虫」は暗号解読と海賊の宝探しがテーマ。 ゴシック編と同様、人間の弱さとその弱さがとことん責め立てられたとき、人間が思いもよらない行動をとることを、まざまざと見せつけられる思いのする作品に、自分の中の弱さもこうなるのではという恐ろしさを感じさせるところがすごい。