最初の、すい臓癌末期の主婦の話で思った。だめだ、職場や移動中などの人前では読めない。家でじっくり涙を流しながら読もう。在宅医療を行う診療所の森山看護師にすい臓がんが見つかったところから、2013・14年と2018・19年の出来事を交互に描く。前者は診療所で扱った様々なケース、後者は森山氏の変化。森山氏から依頼された看護学生向け教科書は、彼の癌に対する一見後ろ向きな姿勢のために遅々として進まない。しかし、彼が最期を迎えようとしている時、そこには終末期の理想の生き方があったことに心打たれた。