ノーベル賞作家の戯曲
サミュエル・ベケットはアイルランド出身のノーベル賞作家。
不条理戯曲という事で、難解だったら厭だなぁと思いつつ読んでみましたが、取り立てて難しい言い回しもなく、ただ不条理、条理に、理屈に合わない、という点を除けば、非常に読みやすい部類だと感じました。実際200ページの本ですが、戯曲形式という事もあり、超遅読を誇る私(笑)が、たった一晩で読了出来ました。
しかし勿論読みやすい中にも含蓄溢れる表現の山で、読み応えはあります。のっけから聖書の引用があり、読み進める内に、「ゴドー」の意味(であるかもしれないもの)も、成る程と推測理解出来てゆくのが面白い。
カフカやカミュなどもそうですが、不条理ものを読んでいると、一体自分が当たり前として過ごしている世界、その過ごし方、生き方が本当は何に根ざしているのか、本当に正しいもの、本当のもの、って何なんだろうか、という揺らぎを感じさせられるのが面白いと感じます。
アイルランドって、このベケット、ジェイムズ・ジョイス、ジョナサン・スウィフト、オスカー・ワイルドと、個性的という言葉では片付けられない作家を多く輩出しているのがとても興味深いです。どうしてなんだろうなぁ。ケルト神話や、多く残る土着民話等も影響しているのかな。
この本は前述のように200ページといっても実質70ページ程の量で、1200円というこのお値段と、内容に、非常に痛々しい部分があり、それが人を選ぶのでは、という処で、-☆ひとつとしましたが、非常に面白い戯曲でした。
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