史料から読み解く龍馬

史料を丁寧に当たる著者だからこそ信頼できる、と思った。司馬遼太郎『竜馬がゆく』が現代人に坂本龍馬のイメージを与えた功罪は大きい。司馬氏が当該作品をフィクションであると公言しても、他に龍馬を伝える一般書が無かったことも大きい。その意味で、本書は龍馬の手紙や、幕末の情勢から、龍馬が志士として活躍するまでの経緯、そして暗殺の首謀者を断定するまでの筆致で、歴史学者としての所見を知ることができた。