本シリーズの二作目「白夜に惑う夏」を手に取って、非常に気に入ったのでシリーズを集めています。 随所に織り込まれているシェトランドの風景や島内全員知人的な独特の人間模様も読みどころのひとつと思います。 手元に届いた順に読んだので、こちらは「白夜~」「野兎を悼む春」の後に読みましたが、「シリーズの一作目にしてこの落ちか」というエッジ感に戦慄しました。こういったシリーズものは通常、読み手が受け入れやすいネタから入ることが多いです。たとば、ナチスの残骸や、逆に振るならやむにやまれぬ事情がある犯人です。本作のような大衆があまり目を向けたくない、いわば「大衆が善良と思いたい人物に巣くう形のないあいまいな悪意」を取り上げるものはあまりありません。カミラ・レックバリもシリーズの最後でやっています。 いや~、どぎもを抜かれました。うまくだまされました。脱帽です。 ところで創元推理社さん、「青雷の光る秋」を再版してください。