嘘を聞き分ける耳を持ってしまった尚哉とちょっと残念なところがあるイケメン准教授高槻の民俗学をからめたミステリ8作目。第1章 押し入れに棲むモノ では年末憂鬱な気分で帰省した尚哉。ある日を境に嘘が聞き分けられる耳になったが故に家でも学校でも孤独になり辛い思いをしていたが、多くを語らない両親が実はまだ心配してくれていることを知る。犬の散歩中に出会った幼馴染との会話がきっかけで高槻のもとにモンモンの調査依頼がくる。子供たちのちょっとした悪意から広がる怪異の世界。尚哉には苦い思い出が多い母校での調査。あぁこういうことだったのね、と読み進めると最後にきて読み手もざわりとする。本物が近寄っているんだ。そして今作もまたもう1人の高槻に守られる尚哉。でも守られるだけじゃない、高槻を守るため強い言葉も発する尚哉の成長が見られてなんだか母になった気分で次作を読むぞ。