正に「ピアノの森」

森の端で、森と共に育ったカイにしか出せない、音と森との一体感、そしてそれをも凌駕して、その先へと誘う演奏。美事な筆致でショパン・コンクール、一ノ瀬海のピアノとその音楽の素晴らしさを描き切った回です。ところでこの『ピアノの森』を読み続けていくにつれ、この作者さんは女性だとしか思えなくなっていたのだけれど、たった今検索してそうだと知り、大変納得。この包み込むような優しさ、どちらかというと刹那的な闘いまでもその中にくるみ込んでしまうその感覚は女性ならではという気がします。今回の単行本カバーも、オーケストラが森を象徴するかのようで秀逸。