衝撃的な一冊

透析治療の現場に隠された「選択肢の少なさ」という現実を突きつけられる、非常に衝撃的な一冊でした。特に、腹膜透析という治療法がほとんどの病院で提供されていないことにショックを受けました。この治療法は患者が自宅で行えるなど生活の自由度を高める可能性を持ちながら、日本では普及率が3%程度という現状に驚きを隠せませんでした。 本書では、透析患者がどのように選択を迫られ、その裏で医療現場が抱える課題や制約がどのように影響を与えているのかが詳細に描かれています。患者や家族、医療従事者が選ぶ「最善」が何であるのか、読者に問いかけながら、生と死に関わる選択の重みを深く考えさせられます。 最近では、腹膜透析に関するCMも目にするようになり、認知度が少しずつ高まってきているのを感じます。こうした動きが加速し、多様な選択肢が当たり前に提供される医療環境が日本にも根付くことを期待しています。この本を読んで、日本の医療がさらに患者本位の方向へ進むことを願わずにはいられませんでした。 『透析止めた日』は、単なる医療ドキュメンタリーを超えた、人生や家族、希望について深く考えさせられる作品です。透析治療に関わる方々だけでなく、自分自身の生き方や選択について改めて見つめ直したい全ての人にとって、強くお勧めできる一冊です。