休日の夕べに紐解き始めると、夜、早朝、日中とドンドン時間を設けて頁を繰り続け、素早く読了に至った。と言うよりも、紐解き始めると「遠方の友人・知人」という感覚も抱くシリーズの主要人物の動向に、頁を繰る手が「停められない」という感じになってしまうのだ…
本作は<警視庁犯罪被害者支援課>のシリーズの8作目である。この<警視庁犯罪被害者支援課>のシリーズは独特な面白さが在る。
だが本作は、<警視庁犯罪被害者支援課>のシリーズでありながら、4割程度は<追跡捜査係>のシリーズの物語のようでもある。支援課の村野が視点人物になる部分と、追跡係の沖田が視点人物になる部分とが概ね交互に出て展開する。対応することになった被害者の栗岡について、その事情で苦慮する村野と、嘗ての事件で容疑者として浮上した経過の在る栗岡を巡る事案を調べる沖田は“共闘”して行くこととなる。そして「やや意外?」な真実が明かされてしまう訳だ。
急遽呼ばれて、通り魔事件の現場に入って、被害者対応の仕事に取組もうとする村野が見掛けたのは、被害者に少々乱暴に詰め寄る男だった。その男は沖田刑事で、未解決事件の捜査を担当する追跡捜査係の捜査員で、発生した事件の急報を受けて飛び出して来るような立場でもないのだ。
その沖田刑事の妙な動きの背後には、調べ始めた8年前の事件の関係者が通り魔事件に巻き込まれたという事情が在った。他方、沖田が詰め寄った人物には、何やら個人的事情が在り、村野は苦慮する。
事件の行方、そして村野の人生と、何やら読ませる作品で大いに愉しんだ。
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