「科学は往々にして、飛躍的な大発見によってではなく、小さな前進の積み重ねによって進歩する。」クリスパーと呼ばれるゲノム編集技術の発明過程をみると、ダウドナを主軸としつつ、一人の天才によるものではなく、様々な専門分野の研究者の協業や過去の巨人の肩に乗った研究によって生み出されたと認識。一方で、それを商用化するプロセスは、基礎研究とはまったく異質なもの。前半は、生物や化学の知識が不足しておりなかなかに難しかったが、後半の、フェン・チャン陣営との特許をめぐる争いは手に汗握りながら読み進めた。下巻も楽しみである。