「科学は往々にして、飛躍的な大発見によってではなく、小さな前進の積み重ねによって進歩する。」クリスパーと呼ばれるゲノム編集技術の発明過程をみると、ダウドナを主軸としつつ、一人の天才によるものではなく、様々な専門分野の研究者の協業や過去の巨人の肩に乗った研究によって生み出されたと認識。一方で、それを商用化するプロセスは、基礎研究とはまったく異質なもの。前半は、生物や化学の知識が不足しておりなかなかに難しかったが、後半の、フェン・チャン陣営との特許をめぐる争いは手に汗握りながら読み進めた。下巻も楽しみである。
何でも検索できる世の中で、情報を持っていること自体の価値は低下した。そんな中で価値を生み出すのは、自分なりの「文脈」に気づき、俯瞰して情報を位置づけられる人であるという。先行きのわからない時代に必要な教養を「持続可能な教養」として、➀物事を「抽象化する思考」を鍛えること➁「気づく」能力を磨くことという。そんな力をつけるのに読書は最適。忘れる読書とは、自分なりの文脈に本の内容を位置づけ、点と点を結んでいく読書。著者が読んでいる本の幅広さを見ると、著者の発想の深さ、広さがわかる。そして読みたい本がまた増えた。
硫黄島での遺骨収集のに留まらず、著者の半生期と言っていい渾身の内容。新聞記者である著者が取材目的ではなく、遺骨収集のボランティアとして、硫黄島へ渡航し遺骨収集することをライフワークに決め、13年間もがきながら、ついに硫黄島にたどり着くまでの物語を幼少期の描写を含め描き出す。「1万人の遺骨が行方不明」の謎を追う著者は、尾辻議員や遺骨収集が劇的に進んだ菅直人内閣のキーパーソンなどへの取材を敢行する。それが本書の魅力を高める。クライマックスは、天皇陛下への質問。著者のひたむきさが奇跡を起こす。
中学受験に挑む小6の息子を持つ親として、臨場感を持って読んだ。中学受験の目的は、子どもが自分が好む学習環境で学んでほしいため。とはいえ、偏差値や大学進学実績が全く気にならないわけではない。私自身は、あまり子どもの勉強に深入りしていないが、この本読んで、深入りせずに良かったとも思う。子どもの努力や想いを見ていると何とか受かってほしいと思う。それが親の狂気にもつながるのか。これから2ヶ月、どんな結果であっても子どもの頑張りを褒められるか。どんな表情で試験に挑み合格発表を見るのか?2月を納得感もって迎えたい。
認識を改められた本。何のために叱るのか?叱る方は、指導と思っていることもその効果は限定的。学びや成長につながらず、その場からの逃げにしかならないという指摘は重い。また叱る方こそ、快感になっている、正当化する原理が働くというのもわかる。「私はそうやって強くなった」と言う生存者バイアスを持っている人は多いなあと感じた。叱られることによる「学習的無力感」は本当にそうだと納得。またやりたいということを持つことまたやるということが育まなければいけない能力という視点は私自身も欠落していた。自己効力感はやはり重要だ。
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コード・ブレーカー 上 生命科学革命と人類の未来
「科学は往々にして、飛躍的な大発見によってではなく、小さな前進の積み重ねによって進歩する。」クリスパーと呼ばれるゲノム編集技術の発明過程をみると、ダウドナを主軸としつつ、一人の天才によるものではなく、様々な専門分野の研究者の協業や過去の巨人の肩に乗った研究によって生み出されたと認識。一方で、それを商用化するプロセスは、基礎研究とはまったく異質なもの。前半は、生物や化学の知識が不足しておりなかなかに難しかったが、後半の、フェン・チャン陣営との特許をめぐる争いは手に汗握りながら読み進めた。下巻も楽しみである。
忘れる読書
何でも検索できる世の中で、情報を持っていること自体の価値は低下した。そんな中で価値を生み出すのは、自分なりの「文脈」に気づき、俯瞰して情報を位置づけられる人であるという。先行きのわからない時代に必要な教養を「持続可能な教養」として、➀物事を「抽象化する思考」を鍛えること➁「気づく」能力を磨くことという。そんな力をつけるのに読書は最適。忘れる読書とは、自分なりの文脈に本の内容を位置づけ、点と点を結んでいく読書。著者が読んでいる本の幅広さを見ると、著者の発想の深さ、広さがわかる。そして読みたい本がまた増えた。
硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ
硫黄島での遺骨収集のに留まらず、著者の半生期と言っていい渾身の内容。新聞記者である著者が取材目的ではなく、遺骨収集のボランティアとして、硫黄島へ渡航し遺骨収集することをライフワークに決め、13年間もがきながら、ついに硫黄島にたどり着くまでの物語を幼少期の描写を含め描き出す。「1万人の遺骨が行方不明」の謎を追う著者は、尾辻議員や遺骨収集が劇的に進んだ菅直人内閣のキーパーソンなどへの取材を敢行する。それが本書の魅力を高める。クライマックスは、天皇陛下への質問。著者のひたむきさが奇跡を起こす。
勇者たちの中学受験
中学受験に挑む小6の息子を持つ親として、臨場感を持って読んだ。中学受験の目的は、子どもが自分が好む学習環境で学んでほしいため。とはいえ、偏差値や大学進学実績が全く気にならないわけではない。私自身は、あまり子どもの勉強に深入りしていないが、この本読んで、深入りせずに良かったとも思う。子どもの努力や想いを見ていると何とか受かってほしいと思う。それが親の狂気にもつながるのか。これから2ヶ月、どんな結果であっても子どもの頑張りを褒められるか。どんな表情で試験に挑み合格発表を見るのか?2月を納得感もって迎えたい。
〈叱る依存〉がとまらない
認識を改められた本。何のために叱るのか?叱る方は、指導と思っていることもその効果は限定的。学びや成長につながらず、その場からの逃げにしかならないという指摘は重い。また叱る方こそ、快感になっている、正当化する原理が働くというのもわかる。「私はそうやって強くなった」と言う生存者バイアスを持っている人は多いなあと感じた。叱られることによる「学習的無力感」は本当にそうだと納得。またやりたいということを持つことまたやるということが育まなければいけない能力という視点は私自身も欠落していた。自己効力感はやはり重要だ。